<文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会:中京大0-6中央大>◇20日◇1回戦◇野幌総合運動公園硬式野…
<文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会:中京大0-6中央大>◇20日◇1回戦◇野幌総合運動公園硬式野球場
大学準硬式の日本一を決める文部科学大臣杯 第77回 全日本大学準硬式野球選手権大会(以下、全日大会)。東海地区の強豪として注目される中京大は、初戦で中央大と対戦。試合は0対6で中央大の前に屈した。
春に東海地区の王者となって、今回の全日大会への出場が決定。2018年以来となる優勝を目指したが、初戦で姿を消した。この結果に「全日大会で勝つために勝負強さや耐える力を養ってきたのに、あと1本が出せなかった」と悔しさをにじませたのは、主将・大石 晃己内野手(享栄出身)だ。
中学時代はボーイズの強豪・東海中央ボーイズでプレー。その後、享栄では名将・大藤敏行監督のもとで3年間過ごし、最後の夏は愛知大会決勝戦へ進出。惜しくも決勝戦で愛工大名電に敗れたが、同期にはヤクルトにドラフト5位で入団した竹山 日向投手など、強力投手陣をリードした。
ここまで見れば強豪チームを渡り歩いてきた。まさに“エリート街道”と言える野球人生だが、大学では準硬式野球を選んだ。
「少しだけ硬式野球の話をもらいましたし、気持ちもありましたが、大学でも硬式を続けるのはプロ野球や社会人野球を目標にやるべきだと思っていました。でも自分は165センチと身長が低くて、限界を感じていたので、準硬式で活躍することを目標にしてやることを決めました」
1年生からベンチ入りを果たし、全国の舞台を経験したことで「関東勢は強かったので、全国で戦えば強い相手と戦える」とモチベーションは高まり、全国大会に出場して勝つことを目標に戦ってきた。特に昨夏の全日大会が終わったあと「先輩たちにお世話になりましたし、応援してもらった分、来年は日本一になる」と強い覚悟を持って主将としてチームをけん引してきた。
迎えた最後の夏、主将として戻ってきた全国大会。大石はある教えを忘れることなく、実践した。
「人間性については普段から指導してもらいました。プレーの丁寧さ、1つのミスは日常生活や人間性から出てくると言われていたので、日常生活から1つのミスで負けることになることを考えれば、人間性が大事だと思って取り組んでいました。なので、一番気を付けていたのは試合前の準備、後片付けをきびきび動けるように、上級生が行動で示すことを大事にしてきました」
それでもこの夏は全国で勝つことは叶わなかった大石。第一線はここで退くとのことだが、準硬式野球で終えることに満足しているようだった。
「野球人生を振り返れば、試合に出られない時間もありました。ですが、最後まで向上心を持ってできたし、周りのアドバイス・サポートのおかげでやり切れました。充実していました。特に準硬式は時間があるので練習とプライベートの両立が出来る。色んな経験を通じて社会性や豊かな人間性が身につく。生きる幅が広げられたと思います。準硬式で良かったと思います」
名将・大藤監督から教わったこと、大学準硬式で養った人間性は社会人になっても生きる瞬間がやってくるだろう。是非社会人として活躍してほしい。