全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は19日、競泳と飛び込みが広島県で、水球が山口県で行われた。 都勢は、競泳…
全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は19日、競泳と飛び込みが広島県で、水球が山口県で行われた。
都勢は、競泳男子100メートルバタフライで、淑徳巣鴨の塩田直也選手が優勝を決めた。
劣勢で迎えた準々決勝の第3ピリオド。たった一人の3年生が気を吐いた。立て続けに2得点。「後輩たちを鼓舞できるのは自分しかいない」
2年前、水球部に入ったのは同学年で2人だけ。だがもう1人はすぐにやめた。部は先輩だけになったが、「勝つことが大好き」との思いで水球に打ち込んだ。
そして気がつけば最高学年。主将を任されることになり、戸惑った。口数が少なく、人をまとめるのが苦手な性格だからだ。
とはいえ、自身以外に3年生はいない。「プレーでチームを引っ張る」と誓った。練習がきついときも弱音を吐かず、試合でも勝利に貪欲な姿をみせた。総体初戦を突破すると後輩に「琉大先輩、勝たせてくれてありがとうございます」といわれ、「主将をやってよかった。ついてきてくれた後輩の存在がうれしかった」と打ち明ける。
この日の試合では、2得点後に徹底的にマークされた。チャンスを逃すと水面を腕でたたいて感情をあらわにした。
ベスト8という結果に「負けたのは自分の責任。よくやってくれた。来年は頼んだ」と後輩に託した。(松田史也)