全国高校総体は19日、広島市のひろしんビッグウェーブで競泳の男子100メートルバタフライ決勝が行われ、塩田直也(東京・…

 全国高校総体は19日、広島市のひろしんビッグウェーブで競泳の男子100メートルバタフライ決勝が行われ、塩田直也(東京・淑徳巣鴨3年)が52秒96で連覇を果たした。

 塩田の顔は、うれし涙でくしゃくしゃだった。コンディション不良の身体を突き動かしたのは仲間への感謝の気持ちだ。

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 前半から飛ばし、50メートルの折り返しでは2番手に0秒01差で先頭に立った。ここからさらにギアを上げ、疲労がピークに達した時、プールサイドで声をからす仲間の応援が聞こえた。「絶対にやるしかない」。トップを死守し、自己ベストで泳ぎ切った。

 5月末から進学の準備で約2か月間練習に打ち込めず、前日の50メートル自由形は2位で悔し涙を流した。「感覚が良くない。何を信じたらいいかわからない」。失意の中、学校や所属クラブの友人から「やってこい」と数え切れないほどの激励を受けた。これで開き直って臨むことができ、最後も背中を押してもらった。

 「仲間の気持ちを泳ぎに乗せられた」と塩田。万感の泳ぎで連覇をつかんだ。