(第107回全国高校野球選手権大会準々決勝 県岐阜商8―7横浜=延長11回タイブレーク) 県岐阜商の稲熊桜史(おうし)…
(第107回全国高校野球選手権大会準々決勝 県岐阜商8―7横浜=延長11回タイブレーク)
県岐阜商の稲熊桜史(おうし)遊撃手(2年)が五回、2点を追加するきっかけとなる左前打を放った。真ん中のスライダーを振り抜くと、打球は三遊間を抜けた。続く2人も安打と二塁打で続き、3点目の本塁を踏んだ。
名誉挽回(ばんかい)を期してのぞんだ打席だった。三回の守りで、強い当たりがグラブをはじき、失策と記録された。「横浜の打球はみんな、経験したことのないような速さでした」。駒瀬陽尊(きよたか)二塁手(3年)に「気にせず、楽しめ」と励まされ、その後は次々と襲ってくる強い打球を丁寧に処理した。
甲子園では、2回戦の東海大熊本星翔(熊本)戦で3安打を放つなど好調だ。この日の試合でも2安打し、全4試合で安打を放っている。反省点もある。九回1死二、三塁で、横浜に「内野5人シフト」をとられてスクイズが決められず、サヨナラ勝ちを逃した。「横浜守備陣のダッシュはすごかったです。もっとバントの精度を高めないと」
稲熊選手は中津川市出身。土岐市出身の柴田蒼亮(そうすけ)投手、多治見市出身の渡辺璃海(りくま)中堅手とは、同じ下宿から通学する2年生同士。小学生のころから対戦して仲が良く、JR中央線で一緒に帰省する。「横浜は一番勝ちたい相手だねと、3人で話していました。次も東濃パワーを見せますよ」(本井宏人)