■磐田が首位・水戸相手に前半2得点!【J2リーグ第26節 8月16日 18時03分キックオフ 水戸 1ー3 磐田 ケー…
■磐田が首位・水戸相手に前半2得点!
【J2リーグ第26節 8月16日 18時03分キックオフ 水戸 1ー3 磐田 ケーズデンキスタジアム水戸】
J2リーグは残り13試合となり、1試合の重みが確実に増している。J1昇格を争うチーム同士の直接対決は、とりわけ大きな意味を持つ。
8月16、17日に行なわれたJ2リーグ第26節では、8位のジュビロ磐田が首位の水戸ホーリーホックとのアウェイゲームに挑んだ。前半8分に新加入のグスタボ・シルバのゴールで先制した磐田は、14分にもゴールを奪う。
相手のファウルで得た直接FKから、左サイドへボールを展開する。水戸の守備陣も(磐田から見た)左サイドへ集結したところで、FW佐藤凌我が右サイドへ展開する。FWジョルディ・クルークスへパスが通る。水戸の左サイドバック大森渚生がスライドするものの、クルークスはタッチラインぎりぎりまで幅を取っているので、間合いを詰められる前にクロスを入れることができる。チームが強みとするクルークスのクロスを引き出すビルドアップの形だ。
クルークスのクロスは、ペナルティエリア右のグスタボ・シルバへつながった。背番号16は素早くシュート体勢を整えて右足を振る。相手CBの足をかすめたボールが、GKとDFラインの間への絶妙なクロスとなった。
このボールに反応したのはFW倍井謙だ。水戸の右サイドバック飯田貴敬の前へもぐり込むと、GKの眼前で左足を伸ばしてプッシュした。グスタボ・シルバは1得点1アシストとなった。
グスタボ・シルバをスタメンに組み込み、シーズン前半戦はトップ下での起用が多かった佐藤を1トップに置く磐田の新たな形が、開始15分までに2つのゴールを生んだのだった。
■J2上位は混戦模様が続く
ここから試合は、2対0で推移していく。水戸にチャンスを許す場面もあったが、磐田はそのままのスコアでハーフタイムを迎える。後半は両チームともに交代カードを切り、磐田は79分にPKで1点差に詰め寄られる。しかし86分、相手のパスミスから途中出場のFW渡邉りょうが、ペナルティエリア左からニア上へ強烈な一撃を突き刺す。
先制点をアシストしたCBリカルド・グラッサは、先制点をアシストしただけでなく、前半と後半に決定的なシュートブロックを見せた。危険なシーンを「個」で解決した彼の存在は、勝利を手繰り寄せる大きな要因となった。磐田はホームで無敗だった水戸に3対1で勝利し、勝点差を「13」から「10」に縮めたのだった。J1自動昇格圏内に、踏みとどまったと言える。
J1昇格争いに直結する戦いはほかにもある。2位のジェフユナイテッド千葉と3位の徳島ヴォルティスの対戦は、千葉が1対0で勝利した。また、4位のV・ファーレン長崎と6位のサガン鳥栖の九州ダービーは、長崎が2対1でモノにしている。
長崎は新加入のディエゴ・ピトゥカがスタメンに名を連ね、後半アディショナルタイムまでプレーした。CBエドゥアルド、MFマテウス・ジェズス、FWフアンマ・デルガド、FWエジガル・ジュニオら、J1でも通用するクオリティを持った外国人枠に、J1の鹿島アントラーズで21年から23年まで主力を担ったブラジル人ボランチを補強したのだ。J1自動昇格へ向けた、V長崎の本気度が読み取れるだろう。
今節を終えた順位は、首位の水戸が勝点51、2位の千葉が勝点48、3位のV長崎が勝点45となっている。4位のRB大宮アルディージャは勝点44、5位の徳島ヴォルティスも勝点44で、6位のベガルタ仙台は勝点43だ。
水戸が敗れたことで2位以下との勝点差が詰まり、J1昇格プレーオフ圏をめぐる争いは、勝点40で9位のFC今治が6位と3差だ。その後ろからは、2連勝のヴァンフォーレ甲府が勝点38で迫っている。まさに大混戦である。
次節は勝点42で7位のサガン鳥栖が、首位の水戸をホームに迎え撃つ。6位の仙台と2位の千葉の6ポイントマッチも組まれている。目前の試合でどれだけ勝点を積み上げられるかが、シーズン終盤のそれぞれの立場に反映されていく。