<秋季愛知県大会 西三河地区予選 一次トーナメントCゾーン:豊田11―3豊田南>◇16日◇敗者復活2回戦◇刈谷球場 夏の…

<秋季愛知県大会 西三河地区予選 一次トーナメントCゾーン:豊田11―3豊田南>◇16日◇敗者復活2回戦◇刈谷球場

 夏の甲子園はベスト8が決まり、いよいよ頂点を目指しての戦いとなっていく。その一方で、多くのチームは既に新チームをスタートさせている。愛知県では、秋季県大会出場を目指す県内5地区によるブロック大会が開催されている。

 西三河地区の1次予選では敗者復活トーナメントが行われている。ここで敗れると、この秋は先の大会進出を逃すことになる。

 一般的な公立校での部活動の課題として、チーム維持のための部員確保がある。この夏に、全国最多の出場チーム数を誇った愛知県でも、部員確保は、特に公立校の場合は大事なテーマとなっている。新チームとして豊田市勢同士の対決となった試合では、豊田も豊田南も大会登録の20人を超える部員を確保している。そういう意味では、しっかり部活動として維持してきた成果であると言ってもいいであろう。

 西三河地区は、愛知県内でも抜けたチームがあるわけではないが、その代わりに公立各校に熱心な指導者が多く、力は拮抗している。またそうした環境でもあるだけに、それぞれのチームは、県大会進出への可能性も抱きながら新チームでスタートしている。

 試合は8回までは投手戦となった。豊田は先発の深谷 龍生投手(2年)と3回に左翼からリリーフした明松 慎之助投手(2年)と繋いで豊田南打線を3失点に抑えていた。

 しかし、それ以上に豊田南の背番号10・早川 淳翔投手(1年)は制球よく投げ分けていき、8回までは6安打されつつも四死球0で4回の1失点のみに抑えていた。投手は制球がしっかりとしていれば、何とか試合を作っていけることを証明したような投球だった。

 ところが9回、あと3つのアウトをチームとして取り切れず、一挙に打者14人、7安打3四球に犠打失策も絡んでしまい、10失点となり、8回までとは全く別の試合になってしまった。新チームでもあり、ちょっとしたことでチームのリズムが崩れると、歯止めが効かず、大量失点となるという典型のような試合となった。

 ただ、9回表こそ10失点ということになってしまったが、そこまでの豊田南の試合ぶりは早川投手の丁寧な投球も含めて、決して悪くはなかった。渡邊 幸多監督の下、しっかりと練習してきているチームだということは十分に印象づけてくれた。

 豊田は、5~8回は3人ずつで抑えられるなど、劣勢だったのだが、9回に3番竹村 勇人選手(2年)の中前打から一気に爆発した。この勢いは、チームとしての元気の良さというか、「自分たちのやれることをしっかりとやっていこう」という姿勢の表れだろう。

 なお、豊田はこれで県大会進出への可能性を残して敗者3回戦へ進むこととなった。新チームは、試合ごとに目覚ましい成長をしていくこともあるので、期待したい。