日本シリーズ第1戦で力投を見せたホークス千賀 圧勝だった。28日、ヤフオクドームで行われた日本シリーズ第1戦。2年ぶりの…
日本シリーズ第1戦で力投を見せたホークス千賀
圧勝だった。28日、ヤフオクドームで行われた日本シリーズ第1戦。2年ぶりの日本一を目指すソフトバンクが10-1の大差で、DeNAを下した。9点差のついたこの試合。ソフトバンク勝利の立役者の1人は、大事な初戦を託された先発の千賀滉大投手だった。
「打線がたくさん取ってくれて、それが1番でした。よくなかったわりには、試合を壊さずに投げられました。点差があったので7回まで投げられてよかったです」と振り返った右腕。初回に柴田、筒香に四球を与えたが、宮崎を三ゴロに抑えて無失点で発進。2、3、5、6回と走者を出したがものの、失点は3点差で迎えた5回に味方の失策から招いた無死一、三塁での、桑原の遊ゴロの間に与えた1点のみ。7回まで許した安打は散発の4安打。三振は3つだったが、自責点はゼロに封じておりキッチリとゲームを作った。
楽天とのクライマックスシリーズ・ファイナルステージの初戦のマウンドを託されたのは、今季16勝を挙げていた東浜巨だった。そして、交流戦開幕も、交流戦明けの初戦も、そして後半戦開幕も、今季の節目の試合で先発していたのは、ほとんどが背番号16だった。
ではなぜ、日本シリーズの第1戦は、東浜ではなく、千賀に託されたのか。そこには、明確な狙いが隠されていた。試合後、工藤公康監督はこう明かした。
交流戦で佐藤コーチが語っていた言葉
「ボールの力と、フォークボールというところで、いけるんじゃないかと思っていました。東浜君の場合は球種はたくさん持っているんですけど、それよりも2球種、3球種でも強い球がしっかり投げられる人を、というのが自分の頭の中にはありました。
自分の勘というかコーチとも話をした上で。1戦目は何が何でも取りたいという気持ちもありました。東浜君がダメということではなく、より強い球を投げられるピッチャーの方が(相手は)打ちあぐねるんじゃないかなという予測を僕の中でしていました」
その目論見通りだったと言えるだろう。150キロ前後の真っ直ぐと“お化け”と称されるフォークが軸となる千賀のボールにDeNA打線は苦戦した。高めのボール球に手が出たり、低めのボール球を空振りしたりと、攻略の糸口を掴めないままに、回は進んでいった。
この指揮官の話を聞いて思い出した。交流戦の最中、佐藤義則投手コーチは「セ・リーグにはボールが強い投手の方がいい。セ・リーグの打者は、パ・リーグの打者みたいにブンブン振るわけじゃない」と言っていた。この日、DeNA打線が放った4安打は全て単打。外野の頭を越える打球はなかった。セ・リーグの打者は、ボールに力がある投手に苦戦する――。この日の千賀vsDeNA打線の結果だけ見れば、それも頷ける内容だった。
「与えられたところで、自分の仕事をやるだけだと思っていましたし、緊張はなかった。短期決戦でアタマを取れたのは、すごくいいスタートだと思います」と語った千賀。指揮官は「特別いいというわけではないかもしれないですけど、自分の持っているものをしっかりと出してくれたと思います。初戦で、1番最初に行かなければいけなくてプレッシャーがかかる。勝つか負けるかが、シリーズの大きなパーセンテージを占めるかなというところで、期待通りに投げてくれた。嬉しいですし、よく投げてくれた」と右腕の力投を称える。
最高の形で、初戦を取ったソフトバンク。2戦目以降に向けて、確かなヒントを掴んだかもしれない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)