◇国内男子◇ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント 最終日(17日)◇御前水GC (北海…
◇国内男子◇ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント 最終日(17日)◇御前水GC (北海道)◇6932yd(パー72)◇雨(観衆761人)
川村昌弘が両手首手術から復帰3試合目の国内ツアーを通算15アンダー57位でフィニッシュした。大会名が示す通りの記録的バーディ合戦で「一人で『どれだけパー取れるんだトーナメント』をやってました」と苦笑しつつ、2週前の「リシャール・ミル チャリティトーナメント」(22位)に続いて4日間プレーしたことはポジティブに受け止める。
1月に手術した左手首はTFCC(三角線維軟骨複合体)の損傷という “職業病”ともいえるけがからの回復を目指したもの。一方でその1カ月後に受けた右手首の手術は、動きが出ることによって痛みが発生していたという小さな骨と骨とを固定するもの。ゴルファーでは珍しく、医師からも「(留め具が)なじんで、慣れていって完全に痛みがなくなるのは8月くらいだと思うよ」と言われていた。
2024年9月「アイルランドオープン」を最後に主戦場のDPワールドツアー(欧州ツアー)で公傷制度の適用を受けた。復帰までの準備措置として3試合まで認められている他ツアーでの出場を終え、28日開幕の「オメガ ヨーロピアンマスターズ」(スイス・クランスシュルシエレGC)でカムバックを果たす。
ここから出場7試合で昨季シードのボーダーラインに足りていない61.52ptを獲得すれば、出場資格をキープできる。「でも、それを達成できるかできないかだけにフォーカスしちゃうと、手術した意味がない。あと数年しかやらないんだったら、公傷もとらずにやっていた方が良かったと思う。先を見て、なので」。唯一無二の道を歩んできたキャリアを、さらに長く続けていくための選択。もちろん目先のラインのクリアを目指すが、自分の“芯”がブレるような生き方はしたくない。
長期離脱を挟み、セッティングもまるで異なる欧州での戦いがどう転ぶかは、長年海外を転戦してきた川村にも未知数な部分がある。「いいイメージを、頑張って作っていきたい。好きな(スイスの)試合から復帰できる。向こうに行ってみて、充実していて、楽しいなと思えれば(必然的に)結果もいいと思う」。旅人ゴルファーがリスタートを見据えた。(北海道苫小牧市/亀山泰宏)