8月10日に甲子園で記者会見を開いた広陵・堀正和校長(C)産経新聞社 第107回全国高校野球選手権(甲子園)を大会途中で…

8月10日に甲子園で記者会見を開いた広陵・堀正和校長(C)産経新聞社

 第107回全国高校野球選手権(甲子園)を大会途中で辞退した広陵(広島)は8月16日、学校の公式サイトに「本校及び本校の生徒に関するご指摘について」と題する声明を掲載。SNS上で拡散している誹謗中傷や加害行為の予告・煽動等に対して「法的措置を含めて対処いたします」との方針を明確にした。

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 声明は、ネット上で「事実と異なる内容、憶測に基づく投稿、生徒及び職員の写真等を報道等から盗用した投稿、関係しない生徒への誹謗中傷」が確認されていると指摘。さらに、野球部寮への爆破予告や、在校生が登下校中に嫌がらせを受ける事態にも触れ、「このような行為は、生徒の人権と学校の教育環境に深刻な影響を与えるものであり、決して容認されるものではありません」と強く非難した。

 その上で、対応方針については「根拠または正当な理由を欠く名誉毀損」や「学校、職員及び生徒に対する加害行為の予告・煽動等」を対象に、必要に応じて法的措置を含めて対処する姿勢を示した。学校は、生徒・職員の名誉と安全の保護を最優先に掲げ、悪質な投稿や行為には厳正に向き合う考えだ。

 今回の表明は、甲子園出場辞退後に生じた二次的な被害への対処を明確化するもの。声明は具体的な個別事案や手続きの詳細には踏み込んでいないが、SNS上の情報拡散に伴う権利侵害や脅迫的行為を看過しない姿勢を学校として公にした形だ。

 一連の問題では、部内の不適切行為に対する再調査や指導体制の見直しが進む一方、無関係な生徒や教職員にまで影響が及びかねない投稿や行為が後を絶たない。学校は、生徒の学びと生活を守る観点から、違法で不当な中傷や予告・煽動について毅然とした対応を取る考えを強調し、自制と配慮を呼びかけた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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