(16日、第107回全国高校野球選手権大会3回戦山梨学院14―0岡山学芸館) 6本の長打を含む17安打をたたみかけての零…
(16日、第107回全国高校野球選手権大会3回戦山梨学院14―0岡山学芸館)
6本の長打を含む17安打をたたみかけての零封勝利。その中に、小技が光った。4番・横山悠選手(3年)のスクイズだ。
五回に敵失で3点目が入り、1死一、三塁となった場面。横山選手にベンチから送られたサインはスクイズだった。球をバットに当て、勢いをそいで三塁方向に転がした。守備陣の虚を突いて三塁走者の宮川真聖選手(3年)が生還し、自らも一塁に生きた。
さらに菰田陽生選手(2年)の三塁打など3連打で4点を加えて8―0とし、一気に流れを引き寄せた。
横山選手は試合後にこの打席を振り返り、自らもスクイズを考えていたと明かした。「自分たちは個人の能力よりも、チームの徹底力で勝ってきた。バントなど(の小技)を一発決めることで、試合の流れが変わる。そこをみんなが理解している」。チームが掲げる「つながる野球」の強さを見せつけた。
4番に期待される長打でも、しっかりと見せ場を作った。一回2死一塁の場面で放った左越え二塁打は、チームを勢いづける先制打となった。この日は3安打2打点をマーク。初戦でも3安打を放っており、鋭い打撃でチームを引っ張っている。
守備では捕手を務め、好投が続く右腕エース菰田投手と、スライダーがさえる左腕・檜垣瑠輝斗投手(2年)をリードしている。「ピンチの場面で抑えてくれるとうれしい。苦しい試合も楽しい」と笑顔で話す。
山梨学院はいよいよ8強の戦いが始まる。梅村団主将(3年)は横山選手に対して「菰田と檜垣をうまく引っ張ってほしい」と期待を寄せる。
ただいま絶好調の攻守の要は、試合後にきっぱりと言った。
「狙うのは日本一」(池田拓哉)