全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は16日、柔道とセーリング(ヨット)がそれぞれ岡山、和歌山県で行われた。セ…

 全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は16日、柔道とセーリング(ヨット)がそれぞれ岡山、和歌山県で行われた。セーリングの男子420級(2人乗り)と学校対抗にあたる男子コンバインドで、津工(三重)が初優勝した。

念願日本一監督に感謝 岡田海洋主将

「このために3年間やってきた。うれしいという言葉と感謝の思いしか出てこない」。霞ヶ浦(茨城)の5連覇を阻んで優勝を決めた瞬間、涙が止まらなかった。

「津工で練習して、霞ヶ浦に勝とう」。中学3年の秋、伊藤秀郎監督(40)に誘われた。当時、総体の男子コンバインドは霞ヶ浦が2連覇中。神奈川県内の中学校に通っていたが、実際に津工の練習も見学し、「高校生から競技を始めた選手でも総体で活躍する強さがある。この人たちとやりたい」と進学を決めた。

 入学後は順風満帆ではなかった。正念場で緊張し、実力を発揮できない精神面が課題だった。主将として日本一を目指したが、伊藤監督には、他の部員との熱量差に悩んでいるようにも映った。

 それでも練習に打ち込み、徐々に結果がついてくるようになると自信をつけていった。底上げを図るために自分の練習時間を削ってチームメートに技術を伝えたかいもあり、今大会では後輩たちの躍進が悲願の優勝につながった。

 伊藤監督はレース後、「いい思いをさせてもらって、ありがとう」と涙を浮かべた。岡田主将は「伊藤先生のおかげで人としても成長できた。育ててくれた恩返しをできてうれしい」と感謝した。(佐竹廉)