◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 事前◇ケイブスバレーGC(メリーランド州)◇7601yd(パー70)ジャステ…
◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 事前◇ケイブスバレーGC(メリーランド州)◇7601yd(パー70)
ジャスティン・ローズは今季、ずっと「これだ」というドライバー見つけられないでいた。リーダーボードで上位に入った週でさえ手堅いマネジメントで、ティショットではライバルたちより頻繁にミニドライバーやフェアウェイウッドを使っていた。
しかし、テネシー州メンフィスで状況は一変した。自分に合うドライバーを見つけた彼は「フェデックスセントジュード選手権」を制覇し、2021年以降のPGAツアーにおける最年長優勝を果たした。大会開幕直前、TPCサウスウィンドで一度も使ったことのなかったキャロウェイ パラダイムAiスモーク ◆◆◆マックスドライバーを実戦投入するという賭けに出た。その4日後の最終日、難関のTPCサウスウインド18番ホールで、3度にわたり強烈なドライバーショットを放った。J.J.スポーンとの3ホールのプレーオフを制したのである。
キャロウェイゴルフPGAツアーレップのジョー・トゥーロン氏は「18番のあのティショットに関して言うと、彼があれだけ自信を持って打てたのはクレイジーな話です。ドライバーを変更したばかりなのに、日曜にあんなティショットを3、4回打つことができた。よほど安心感があったんでしょうね」と振り返った。
ローズは火、水曜の2回の練習セッションのみで、コースでは試すことなく、新しいドライバーの実戦投入に踏み切った。
「彼は少し左へ出て、最近彼が苦しんでいた右へのミスを排除できるドライバーを探していました。より左方向へ出るオプションから取り組み始め、その方向へよりタイトに、安定して留まるようにしていき、目標を達成したのです」とトゥーロン氏は言う。
ドライバー変更を決めたもう一つの大きな要因は、ボール初速の飛躍的な向上にあった。ローズはツアーのドライビンディスタンスでトップ100圏外だったが、新ドライバーで時速4マイルの初速アップを果たし、最終的に「フェデックスセントジュード選手権」のドライビングディスタンスでは12位にランクインした。これはローズにとっても驚きだったようだ。
TPCサウスウィンドの18番ホールについて、ローズは「これまで左サイドをカバーできたことはなかった。ドライバーを少し抑えめに打てば、飛び過ぎるということはなかっただろうし、ドライバーで曲げて打てばキャリーが出て、あの左後方のピンに対してあの角度を作り出すことができた。それでとても有利になったんだ」と述べた。メンフィス前まで141位だったストロークゲインド:オフ・ザ・ティも大会では14位に向上していた。
ローズは今季、6本のドライバーで試行錯誤を重ねてきた。DPワールドツアーの「チームカップ」で、キャプテンとして英国&アイルランドチームを勝利に導いた際はタイトリストGT3だったが、その後PGAツアー初戦に向けて渡米した際には、タイトリスト最新シリーズのGT2も携えていた。
ドライバー3番手は、ローズにとって一風変わったものだった。TGLゴルフリーグで、ロサンゼルスGCの一員としてコリン・モリカワ、サヒス・ティーガラ、そしてトミー・フリートウッドと組んでプレーした時にはテーラーメイドQi35を試しているところを目撃された。しかし、Qi35は実戦投入には至らず、3年物のタイトリストTsR3に乗り換えて、マスターズに挑み、オーガスタナショナルでプレーオフの末、ロリー・マキロイに敗れた。
「マスターズ後、メモリアルや全米など、タフな大会ではドライバーが上手く打てず、そうした大会では良い結果が出なかったんだ」とローズは言う。
ローズは6月の「メモリアルトーナメント」でタイトリストGT2に回帰すると、7月の「ジェネシス スコットランドオープン」ではテーラーメイドM3を試しつつ、「全英オープン」ではテーラーメイドM6を使用し、その後、再びタイトリストGT3へ戻した。
ローズは自身のパフォーマンスについて「リンクスのゴルフシーズンへ向けてリセットしたことが役立ったと感じていたし、スコットランドと全英では確実にドライバーが良くなっていた。ただ、鍵はセットアップにミニドライバーを加えたことだった。ミニドライバーを実戦投入すると、ティショットのストローク貢献度が上向きになったので、シーズンが好転する契機になったと思うんだ」と語る。
最終的に、彼はフェデックスカップ プレーオフ初戦のため米国へ戻った際に答えを見つけた。
「体の動きが良くなったと感じているし、少なくとも温暖な気候だと少しボール初速が上がるから、長いゴルフコースで飛距離が伸びるんだ。そうだね、これからもドライバーショットは最優先事項になるね。と言うのも、僕はもうツアーで一番飛ばす選手にはなれないけれど、飛距離が出ずに曲げるわけにはいかないから。一番上の番手で武器を持っておかなければならないんだ」
ローズはメンフィスで的確な判断を下し、シーズン7本目のドライバーで勝利を引き寄せたのである。