◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 2日目(15日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)…

◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 2日目(15日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇6497yd(パー72)
今週は 1Wのシャフトを短くしてみた。「このくらい」と親指と人差し指で隙間をつくって言う。およそ0.25インチで「何が違うのかっていう感じなんですけどね」。長さだけでなく、製品を愛用モデルからスイッチ。その試行錯誤もまた実ったとは言い難い。
笹生優花は米ツアーで7月の「エビアン選手権」から3試合連続で予選落ち。バーディ合戦が展開される今大会で「78」「75」の通算9オーバーに終わった。3月末の「フォード選手権」初日に「69」で回ったのを最後に、4カ月以上アンダーパーを記録していない。
「全米オープン」初制覇により2021年に飛び込んだ米女子ツアー。5年目のシーズン前半戦は「なかなかうまくいかないので。うまくいかなすぎて、逆に笑っちゃいます」と本人も言わざるを得ない。メジャー5大会も決勝ラウンドに進んだのは6月の「KPMG全米女子プロ」だけだった。
焦燥感にかられそうな状況であっても、笹生は淡々と、いつものようにドライビングレンジの端でボールを打ち込む。「私自身はあんまり焦ってなくて。焦る必要もないかなって」。出場権は全米オープン2勝という離れ業により来季以降も安泰。「そんなに心配するようなことでもないです。もちろん結果は良くないですけど、それがすべてじゃないから」

長期シードがあるから、というわけでもなく、笹生は自身のキャリアを長い目で眺める。師事するコーチ、キャメロン・マコーミック氏の指導の下、縦振りのスイングプレーンを模索しているところ。「スイング変えるって難しいですからね。私はスイングを変えるというよりも、今ある基本を良くしていくという感覚」だと話す。
日々の小さなアップデートも、短絡的に評価するつもりはない。「それ(理想の形)に向かって頑張っていって、いつの間にか自然になっている感じだと思うので。朝、起きて『あ、きょう変わったな』って感じはしないんです。6カ月後、1年後に『なんか、できている』と気づくもの」。結果を急ぐあまり、慌てることで進化に中途半端なものに留めたくない。
年間ポイントレース(レース・トゥ・CMEグローブ)は112位。今季8回目の予選落ちでさらに後退する可能性があり、10月「ビュイックLPGA上海」(中国・上海旗忠GC)で始まる秋のアジアシリーズの出場が危ぶまれる。「先を見てもね、どうにもできないですし、今やることをしっかり集中してやるしかないと思うので。アジアももちろん出たいですけど、そのために今、頑張る」。誰よりも本人が復調の季節を待っている。(オレゴン州ポートランド/桂川洋一)