菅野は雨の中でも粘り強くなげて勝利を手繰り寄せた(C)Getty Images オリオールズの菅野智之が現地時間8月14…

菅野は雨の中でも粘り強くなげて勝利を手繰り寄せた(C)Getty Images

 オリオールズの菅野智之が現地時間8月14日、本拠地でのマリナーズ戦で5回1/3を3安打1失点に抑え、今季10勝目を挙げた。試合途中には激しい雨にも見舞われたゲームでしぶとい投球を披露し、見事にメジャー1年目での二桁勝利を達成した。

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 前回登板となった6日前のアスレチックス戦、7回1失点と好投し9勝目を挙げていた菅野は、このマリナーズ戦でも試合中盤までマリナーズ打線を手玉に取るピッチングを展開。5回をわずか2安打無失点とほぼ完ぺきな内容で投げ抜き、オリオールズが5-0とリードし6回を迎える。

 勝ち投手の権利を得た菅野がこの回もマウンドに登り、先頭の1番ランディ・アロザレーナを変化球で3塁ファウルフライに打ち取り、2番ジョシュア・ネーラーにはライト前への安打を打たれ一死一塁。3番フリオ・ロドリゲスを迎えた場面で、それまで落ちてきていた雨が一気に強まり、ゲームは中断。視界が遮られるほどの豪雨となり、打席のロドリゲスやマウンド上の菅野がアンパイアに中断を促す様子なども見られた。

 2時間18分後に試合は再開され、このタイミングでオリオールズは菅野からリコ・ガルシアにスイッチ。直後にロドリゲスが2点本塁打を放ったため、菅野にも自責点1が記録されている。その後、オリオールズ救援陣はマリナーズの追加点を1点にとどめ5-3で逃げ切った。前日に続いての連勝、4カードぶりとなる勝ち越しを決め、菅野が10勝目を手にしている。

 オリオールズ地元放送局『WMAR-2 News』では、公式サイト上で「スガノがチームトップの10勝目をマークした」と報じるなど、ゲーム内容をレポート。その中ではトニー・マンソリーノ暫定監督が日本人右腕を称えたコメントも掲載している。指揮官は菅野の投球について、「素晴らしかった。無失点でストライクもきっちり投げられ、球速も良く、スプリットも良好、制球も完璧だった。あの投球ぶりならあと数イニングいけるかと思ったくらいだ」などと語っている他、「残念ながら今年は雨に悩まされる場面が多かったが、ベテランとして上手く対応している」と賛辞を並べた。

 菅野は7月以降で4つの白星をあげており、直近4度の登板で3勝と、夏場にきてさらにパフォーマンスが上向いている印象が強い。円熟味を増す投球でどこまで勝ち星を伸ばせるか、注目度は高まるばかりだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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