<第107回全国高校野球選手権大会:明豊6-1佐賀北>◇15日◇2回戦◇甲子園 佐賀北(佐賀)が終盤に力尽きて明豊(大分…
<第107回全国高校野球選手権大会:明豊6-1佐賀北>◇15日◇2回戦◇甲子園
佐賀北(佐賀)が終盤に力尽きて明豊(大分)との九州対決に敗れ、2回戦敗退となった。
先発の稲富 理人投手(3年)が145球を投げ切り、最後までマウンドを守ったが、思いは届かなかった。4回まで明豊打線をノーヒット。コーナーを丁寧につく投球で抑えていた。5回に初ヒットから集中打を浴びて3点を失い、6回にも1点を追加されたが、その後も落ち着いてマウンドで相手に立ち向かった。8回にも2点を失ったが、最後まで味方の反撃を祈って、右腕を振り続けた。
稲富は笑みを忘れなかった。「全国の高校生が夢見る舞台で投げられていることに感謝して、楽しんだら自ずと結果がついてくると思った。暗い顔をしてもいいことがない。みんなで笑っていこうと佐賀県大会から言ってきた」。背番号1はナインの投票で決まったという。「みんなの思いを背負ってこの夏投げられた。自分に入れてくて、みんなの思いを無駄にしたくないと思いました」。最後まで投げ切ることが、稲富なりのナインへの返事だった。
打線は8回以外、すべてのイニングで走者を出してチャンスを作ったが、1得点と決定打を欠いた。放った安打は相手と同じ11安打。5点ビハインドで迎えた最終回にも粘りを見せたが、2点目は遠かった。
「がばい旋風」は吹かなかったが、その優勝を収めた2007年以来、夏甲子園で勝利を挙げた。2回戦で敗れはしたが、再びあの旋風を巻き起こすために、新チームから再出発する。