<第107回全国高校野球選手権大会:東洋大姫路8ー4花巻東>◇15日◇2回戦◇甲子園 東洋大姫路の阪下 漣投手(3年)が…
<第107回全国高校野球選手権大会:東洋大姫路8ー4花巻東>◇15日◇2回戦◇甲子園
東洋大姫路の阪下 漣投手(3年)が15日、花巻東戦の9回表、無死一塁から登板した。
「木下(鷹大)のおかげで甲子園に連れてもらったので、絶対、0点に抑えて、木下の自責点にしない思いでマウンドに立ちました」
阪下は最速143キロの速球、チェンジアップ、カーブを投げ分け、二者連続三振を奪うなど火消しに成功。3月20日の壱岐戦以来、148日ぶりの公式戦登板は勝利に導く見事な投球だった。
壱岐戦の前日の投球で違和感を感じた阪下は、壱岐戦でも先発したが、1回で降板。診断の結果、右肘の靭帯の一部断裂だった。手術を勧める声もあったが、最後の夏にチームメイトと野球をやりたい思いで保存治療を選択した。
阪下が復帰するまでの過程を振り返ると、靭帯断裂の診断を受けた阪下は6週間のノースローを経て、再検査を行った。5月1週目の後半に医師の許可を得て、キャッチボールを再開した。そこから立ち投げは6月中旬から始め、ブルペン投球は7月上旬に行った。実戦的な投球はシート打撃で3、4回ほど投げていた。それでも130キロ中盤ぐらいまで出力を抑えて、準備をしていた。
「試合でマックスに持ってこれるのが一番なので、練習で怪我はしてしまっては意味がないので、しっかりと考えて練習ができました」
兵庫大会準決勝で登板予定だったが、コールド勝ちしたため、登板はなし。甲子園に照準を合わせて練習をしてきた。登板機会は点差が広がった場面のみ。登板してもショートイニング限定という条件の中、甲子園でも準備してきた。
この試合も終盤からキャッチボールを行いながら準備していた。復帰初戦となったこの試合では最速143キロをマークした。
「怪我後の初めてのマウンドが甲子園となりました。エースの木下や、チームのために恩返ししたい思いで投げました。久しぶりでしたけど、楽しみことができました」
今後もショートイニングでの限定での登板が予想される。復活したエースの快投に期待だ。