(14日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 沖縄尚学3―0鳴門) 沖縄尚学の先発マウンドに上がった新垣有絃(ゆい…

 (14日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 沖縄尚学3―0鳴門)

 沖縄尚学の先発マウンドに上がった新垣有絃(ゆいと)は一回、いきなりの二塁打を許す。四球と犠打で1死二、三塁のピンチだ。

 一瞬、5カ月前の記憶が頭をよぎった。「弱気になるな。強気に立ち向かえ――」。自分に言い聞かせた。後続を連続三振。胸騒ぎを静めた。

 春の選抜大会。横浜との2回戦は1回で降板した。先頭打者に死球。安打の後に3ランを浴びた。「得意の変化球が入らず、自分の首を自分で絞めた」。いまは冷静に振り返ることができる。

 弱気の虫を追い払った。九州大会で強豪相手に出番を重ねた。筋力アップにも励んだ。「ピンチで頭が真っ白になっていたのを、打者に意識を向けるように変えた」

 この日、比嘉公也監督からは試合を作ることを託された。「五回がノルマ。七回まで投げれば120点」。制球が定まらず、投げたい気持ちが高ぶってフォームを崩していることに気づけた。5回を8奪三振で無失点。二回以外は、最終打者を三振で締めくくっている。

 エースは同じ2年生の末吉良丞(りょうすけ)だ。比嘉監督は「ばらばらだった2人が最近は一緒にいる」と目を細めるが、本人は否定した。新垣有のスライダーが精度を増したのも、直球が速くなったのも、隣で投げる末吉とずっと刺激し合い、吸収してきたからだ。

 「きょう打たれたら成長していないことになる。でも、内容は50点」。伸びしろはまだ大きい。(潮智史)