◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前(14日)◇軽井沢72G北コース(長野)◇6625yd(パー72)…
◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 事前(14日)◇軽井沢72G北コース(長野)◇6625yd(パー72)
「誕生日って特別な日だと思っていたけど、もう36回もやっているとどうでも良くなってきた」。この日、36歳の誕生日を迎えた“キンクミ”こと金田久美子が豪快に笑った。
「冗談でおばさん、おばさんって言っていたけど結構意識するフレーズになってきた。“トシだもん”とか“あの子トシだから”とか“トシだからしょうがないよ”とか言われないように。自分でも言いたくないし、そのために普段から精進して参ります」
8歳で「世界ジュニア」(10歳以下の部)を制して男子のタイガー・ウッズの記録に並び、2002年「リゾートトラストレディス」で12歳298日のツアー最年少予選通過記録(当時)を樹立した。“天才少女”と呼ばれ、女子ゴルフ界を盛り上げた。33歳のときには22年「樋口久子 三菱電機レディス」で最長ブランク記録となる11年189日ぶりの2勝目をあげた。
2001年「ゴルフ5レディス」で11歳347日のツアーデビューから24年が経った。ベテランが若手の活躍が目立つ女子ツアーで戦うため、3カ月前からはパスタやピザ、パンなどのグルテンを含む料理を避ける「グルテンフリー」の食事法に切り替えた。男子テニスの元世界ランク1位、ノバク・ジョコビッチ選手も取り入れていた食生活だ。
「朝起きて倦怠感がなくなった。効果を実感しちゃったから辞められなくなった。パンやラーメンを食べる夢を見るけど、その食べないストレスよりも疲れが取れるほうが気も楽」
ラウンド中の疲れを抑制するため5本指ソックスも採用した。「マジで履いたほうが良い。体のコスパが悪かったけど、楽になった。最近は体のケアを3日間ぐらいしなくてもバキバキにならない」。それに加えて“イライラ”を抑制するためのヨガを始め、上半身強化にも励んできた。
今季は15試合に出場して予選落ち8試合でトップ10もない。それでも同じ30代の工藤遥加(32歳)、穴井詩(37歳)、永峰咲希(30歳)、渡邉彩香(31歳)らが優勝しているのが大きな励みだ。
「たまには上位でがんばりたい。いつものこのへん(下)でちょこちょこゴルフして疲れちゃう。もうちょっとできるんじゃないかって自分をワクワクさせたい。(ゴルフを)辞めるまでにあと1回ぐらい勝ちたい。最近30代頑張っていますよね。私も頑張りたい、頑張ろう」と自らに言い聞かせた。クラブを手放すその日まで眼の前の一球に集中する。(長野県軽井沢町/玉木充)