王を下して頂点に立った張本。中国メディアも台頭を警戒する(C)Getty Images 卓球のWTTチャンピオンズ横浜は…

王を下して頂点に立った張本。中国メディアも台頭を警戒する(C)Getty Images
卓球のWTTチャンピオンズ横浜は8月11日に最終日を迎え、男子シングルス決勝で張本智和(世界ランキング4位)が中国の王楚欽(同2位)を4-2で破り、2022年以来となる優勝を飾った。現世界王者から劇的勝利を飾り、日本男子のエースとして新たな歴史を刻んだ。
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宿敵撃破へ闘志をみなぎらせて決勝の戦いに臨んだ張本。序盤からアグレッシブな姿勢を見せながら高い集中力も保ち、3ゲームを一気に連取。そこから4、5ゲームを王楚欽が取り返すも、6ゲーム目は張本がリードを広げる一方的な展開となり、最後は王楚欽のレシーブミスで試合が決着。見事に強豪に競り勝ち、日本開催の大会最後を締めくくった。
この試合の結果は世界中に流れ、当然、王の母国である中国国内でも報じられている。ポータルサイト『捜狐』では8月12日、「3年ぶりの栄冠!張本智和が王楚欽撃破で大金星、日本全国に歓喜の渦」と銘打った特集記事を掲載した。
決勝戦の展開を分析する内容となっており、「張本の勝因は、“隠す”戦術にあった」と同メディアは指摘。「試合序盤ではあえて代名詞ともいえるバックハンドのチキータ(反手側スピンフリック)を封印し、最後の2ゲームになって初めて必殺技として解禁。この戦法は完全に王楚欽の虚を突いた」などとレポート。さらに張本に対し、「明らかに彼は相手を研究し尽くしており、王楚欽の思考パターンを読み切って賭けに勝った形だ」と綴っている。
一方、王楚欽の敗因として同メディアは、「張本のプレースタイルの変化に対し、リズムを修正できなかった」と指摘しており、「世界王者という看板が、むしろ重荷になった印象もある」と振り返った。
その上で、この日の結果について、「中国卓球界にとって、これは警鐘である」と訴えており、「海外選手の進歩はもはや無視できない。王楚欽は敗北から学び、代表コーチ陣も相手の脅威を再評価する必要があるだろう」と主張。さらに、「今回の張本がみせた飛躍は、まだ序章にすぎない」との評価も付け加えている。
張本は王楚欽に対し、これがシングルスでの初勝利。先月に行われたアメリカスマッシュでは0-4と完敗を喫していた。これまでの悔しさを胸に、自国大会決勝でのリベンジという機会を得た張本は、強い信念で白星を挙げ、鮮やかに頂点を掴んだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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