「スイス・インドア」(10月23日~10月29日/スイス・バーゼル/室内ハードコート)で、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は10月27日、ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)との準々決勝を戦い、完勝でコマを次戦に進め…

「スイス・インドア」(10月23日~10月29日/スイス・バーゼル/室内ハードコート)で、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は10月27日、ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)との準々決勝を戦い、完勝でコマを次戦に進めた。カウントは6-2、2-6、6-4、試合時間はちょうど2時間だった。

デル ポトロは現在、世界ランキング19位と、怪我から復帰してトップ20に入ってきたところで、今大会には第4シードでエントリしている。バウティスタ アグートは対して、ランキングで21位につけており、世界ランクとしてはほとんど差のない選手同士の対戦となった。

ただ、デル ポトロには、大きな大会で、「スイス・インドア」でタイトルを手にすれば今年のATPツアー・ファイナルへの出場権を得られる。本人は強く意識していないと言うものの、デル ポトロがツアー・ファイナルに出場するかどうかで、出場選手達の勢力図も大きく変わるだけに無視できない存在だ。◇   ◇   ◇

その中で、デル ポトロは終始優勢に試合を運んだ。第1セットでは、出だしでいきなりブレーク。リードを築くと、お互い3ゲームのキープを続けた後に迎えた第5ゲームで、再びブレークし、そのまま第1セットを取得した。

第1セットで、バウティスタ アグートはデルポトロのバックにフォアで打ち込み、得意のフォアを打たせない展開に持ち込みたがった様子。リターンでは、ベースラインから大きく離れた後方にポジションを取り、返球を試みるもなかなか機能せずブレーク仕切れなかった。

一方で、デル ポトロはバックのスライスでラリーをつなぐと、フォアで打球するチャンスを待ち、チャンスボールでは打ち込むなどで対抗した。バウティスタ アグートの逆クロスへの展開やバック狙いに対しても、片手でのスライスでつなぎ、両手で打球できる際には、ウィナーを放って、隙のないテニスを見せた。

結局、デル ポトロは長身からの球威のあるサービスや、要所で見せる得意のフォアで押し切ってセットを奪った格好だ。

第2セットでは、バウティスタ アグートも第4ゲームでデル ポトロのサービスをブレークして、巻き返しを図った。さらに第8ゲームをブレークすると、6-2でセットをおさえた。

第3セットは、両選手とも持ち味を生かして、攻めあう姿勢を見せた。デル ポトロはフォアのハードヒットを軸に、左右にバウティスタ アグートを走らせて、チャンスボールを作ってドライブボレーやスマッシュで決める展開。バウティスタ アグートもストロークから軽快な動きでのネットプレーなどで対抗し、第3、第4ゲームでお互いにブレーク。

均衡の取れた展開が続いたが、いやが応でも緊張感の高まる4-4で、デル ポトロは、2度のデュースにまで入るなど簡単にブレークさせてもらえないが、最終的にはブレークを達成した。これが決めてとなり、デル ポトロが第3セットを取得し、試合を決めた。

デル ポトロは次の試合となる準決勝で、マリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する予定。もう一つの準決勝では、ロジャー・フェデラー(スイス)とダビド・ゴファン(ベルギー)のカードとなっており、いずれの選手が勝ち上がっても不思議はない。「スイス・インドア」を締めくくる週末の盛り上がりにも期待したい。(テニスデイリー編集部)

※写真はソウザ戦でフォアで打球する瞬間のデル ポトロ、バウティスタ アグートでもその強打は健在だった

(Photo by David Emm/Action Plus via Getty Images)