デビュー前日の姫野和樹はリラックスしていた。この一週間、いい準備ができているからだ。「自分の一番いいマインドというのを知っているので、いまはすごくいい状態かなと思います」 この秋、日本代表に初選出され、本日(28日)福岡・レベルファイブス…

 デビュー前日の姫野和樹はリラックスしていた。この一週間、いい準備ができているからだ。
「自分の一番いいマインドというのを知っているので、いまはすごくいい状態かなと思います」
 この秋、日本代表に初選出され、本日(28日)福岡・レベルファイブスタジアムでおこなわれる世界選抜戦で先発する。テストマッチではないが、姫野が日本代表として臨む初めての試合だ。
「日本代表のジャージーは特別なものですし、ラグビー選手にとって夢。責任が重くのしかかるジャージーだと思っています。テストマッチじゃないですけど、ジャージーを着る意味として、全力でやらないといけない。自分のパフォーマンスを最大限発揮できるように、いい準備をして試合に臨みたいです」

 ジュニア・ジャパンとU20日本代表を経験し、帝京大学在籍時から注目されてきた有望株。トヨタ自動車ヴェルブリッツに加入してルーキーながら主将を任され、今季トップリーグでは全試合出場中、その活躍ぶりにジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチも熱い視線を注いでいた。

「姫野は強いボールキャリアーであり、リーダーシップを持った選手。彼のそういうところのスキルも非常に買っている。まだまだこれからの選手ですが、彼自身もジャパンでプレーすることを楽しみにしていると思うし、我々も楽しみにしています。彼はルースFWもできるしロックもできるので、貴重な選手」

 指揮官からそう期待されている23歳のシャイニングスターは、トヨタ自動車ではフランカーとしてプレーするが、世界選抜戦では背番号4をつけることになった。
「ロックとしてもいいパフォーマンスを出していきたいと思いますし、自分の持ち味というのはやっぱり、ランとワークレートの部分だと思っています。それにプラス、ロックなのでセットプレーの部分は求められてくるので、そこは本当に、自分としては大きなチャレンジだと考えています。(身体の大きな相手に対して)自分たちのラインアウトの精度を高く、シンプルに速さとテンポで持っていきたい。うまくいかないこともあると思いますが、落ち着いて、自分のやるべきことをやれればなと思います」

 ジョセフ ヘッドコーチは、今回ジャパンに選出した新しい6選手について、ツアー中にチャンスを与えて彼らの力量を見たいと考えている。国際試合での強度やプレッシャーに耐えられるか、見極めていくつもりだ。

 2年後のワールドカップへ向けて、すでに競争は始まっている。姫野も、デビュー戦でしっかりアピールしたい。
「結果を残さないと、次のオーストラリア戦(11月4日/神奈川・日産スタジアム)もそうですが、2019年のワールドカップへ向けて生き残れるかどうかというのはわからないので、世界選抜戦は後先考えずに全力でチャレンジしていきたいです。最初から全開で行けるところまで行く。後のことは考えずに、しっかりいまを全力で。しっかりチャレンジして、自分のやるべきことをやるだけです」