■リードした千葉は前節を教訓に【J2リーグ第25節 8月9日 19時04分キックオフ 大宮 0ー1 千葉 NACK5スタ…
■リードした千葉は前節を教訓に…
【J2リーグ第25節 8月9日 19時04分キックオフ 大宮 0ー1 千葉 NACK5スタジアム大宮】
J1昇格争いを左右する6ポイントマッチが、8月9日のJ2リーグ第24節で行なわれた。勝点42で2位のジェフユナイテッド千葉が、勝点41で4位のRB大宮アルディージャとのアウェイゲームに挑んだのだ。
千葉は前節のいわきFC戦で、2対1のリードで迎えた81分にFW森海渡を下げてCB鈴木大輔を投入した。それに伴い、4バックから5バックへ変更した。逃げ切りをはかったわけだが、直後の83分に直接FKから失点し、ホームで勝点3を逃した。
後半開始直後にカルリーニョス・ジュニオのヘディングシュートでRB大宮より一歩前へ出た千葉は、1対0のまま試合を進めていた。しかし、後半途中からはRB大宮に押し込まれていく。前半は両サイドからのクロスをほとんど許さなかったが、後半途中から出場したRB大宮の津久井匠海に、75分以降だけで7本のクロスを供給された。
千葉の小林慶行監督はどうしたか。
85分に切った5枚目のカードは、FW森からFW米倉恒貴への交代だった。背番号11は、森と同じ前線に立つ。4バックを維持しつつ、前線からのプレー強度を高めたのだった。
7分のアディショナルタイムでは、何度もCKを与えた。自陣ゴール前にクギ付けにされたが、GKホセ・スアレスが価値あるセーブを連発する。千葉は1対0のまま終了のホイッスルを聞き、6ポイントマッチを制して2位をキープしたのだった。
■ピンポイントの補強で戦力アップを実現
勝点3を運んできたGKスアレスは、チーム始動後の2月に加入した選手だ。正GK候補だった若原智哉が1月中旬に負傷したことにより、22年から24年まで徳島ヴォルティスに在籍したスペイン人守護神を獲得したのだった。
決勝点を叩き出したカルリーニョス・ジュニオも、シーズン開幕後に補強している。前所属の清水エスパルスと契約を更新しないことが明らかになると、2月末に契約にこぎ着けている。昨オフにFW小森飛絢がシントトロイデン(ベルギー)へ期限付き移籍したことで(現在は浦和レッズへ完全移籍)、チームは新たな得点源を求めていた。
ここ3試合スタメン出場のFW森海渡は、7月のウインドーで獲得した選手である。前半戦7ゴールのFW石川大地がメンバー外となっているなかで、23年にJ2の徳島ヴォルティスで13ゴールをあげた森を迎え入れた。屈強なフィジカルを持つターゲットマンの彼は、カルリーニョス・ジュニオの優秀なパートナーに成り得る。
彼らふたりの得点感覚を生かすクロッサーには、イサカ・ゼインを呼び寄せた。J2のモンテディオ山形で十分なプレータイムを得ていなかった彼を、ケガで戦線離脱した田中和樹の右ウイングに当てはめた。
23年からチームを指揮する小林監督のもとで、千葉はチームの練度を高めてきた。そのうえで、J1昇格に必要な戦力を的確に補強している。その動きも早い。追加登録期限の9月12日まで、さらなる補強があるかもしれない。
リーグ全体に目を移すと、北海道コンサドーレ札幌が岩政大樹監督との契約を解除した。今シーズンのJ2では愛媛FC、カターレ富山、長崎、モンテディオ山形、レノファ山口FCに次いで6チーム目の監督交代となった。
札幌は9日開催のV・ファーレン長崎戦を1対2で落とし、J1昇格プレーオフ圏まで勝点8差の11位にとどまっている。フロントの決断のタイミングはともかくとして、1シーズンでのJ1復帰を諦めないためには、どこかで動かなければならなかったのだろう。
後任はU―18を率いていた柴田慎吾監督で、アカデミーで長く指導をしてきた人材だ。Jクラブの監督を初めて務める40歳の指揮官のもとで、残り13試合での勝点積み上げを期す。