今度こそ戴冠なるか。青森産馬のハヤテノフクノスケ(牡4、栗東・中村直也厩舎)が、札幌記念(3歳上・GII・芝2000…

 今度こそ戴冠なるか。青森産馬のハヤテノフクノスケ(牡4、栗東・中村直也厩舎)が、札幌記念(3歳上・GII・芝2000m)で重賞初制覇を狙う。

 ハヤテノフクノスケは父ウインバリアシオン、母サクラインスパイア、母の父シンボリクリスエスの血統。生産者は青森県のワールドファーム。5代母は名繁殖牝馬のスワンズウッドグローヴなので、古くは88年の日本ダービー覇者のサクラチヨノオーや同年の朝日杯3歳Sを制したサクラホクトオー、近年の活躍馬でいえばサクラトゥジュールやラッキードリームと同じ牝系の出身となる。

 ここまで13戦4勝。24年の京成杯ではダノンデサイルから0秒2差の4着に健闘。同じく菊花賞では勝負所でスムーズさを欠くシーンがありながら、15番人気の低評価を覆して8着に食い込んだ。その後は放牧を挟み、4走前の鶴舞特別を4馬身差、3走前の阪神競馬場リニューアルオープン記念を5馬身差で圧勝。前々走の天皇賞(春)はGIの壁に跳ね返されて11着に大敗したものの、前走の函館記念では2着に奮闘した。ハーツクライの系統らしく、古馬になって力を付けていることは間違いない。

 近年、青森産馬の活躍はめっきり減った。JRAのGI制覇は01年の阪神JFのタムロチェリーが最後。地方ではキョウエイギア、サルサディオーネなどがビッグレースを制しているものの、中央では北海道組に圧倒されている。ここで「期待の星」ハヤテノフクノスケが20年のダイヤモンドSのミライヘノツバサ以来、青森産として5年半ぶりのJRA重賞制覇となるか。故郷を喜ばせるタイトル奪取を期待したい。