(第107回全国高校野球選手権) 今大会の初出場5校が初戦を終えた。7日に接戦の末に津田学園(三重)に敗れた叡明(埼玉…

 (第107回全国高校野球選手権)

 今大会の初出場5校が初戦を終えた。7日に接戦の末に津田学園(三重)に敗れた叡明(埼玉)は、県勢として17年ぶりの夏の初出場校だった。飛躍のきっかけは、今春の選抜大会だった。

 関西遠征の合間に甲子園を訪れ、準々決勝を観戦した。同じ埼玉県勢で初出場だった浦和実が聖光学院(福島)を破り、4強入りを決めた。

 部員のほとんどが地元出身の私学という共通点があり、練習試合もよくする。そんな「身近な高校」の躍進を目の当たりにし、叡明の主将の根本和真は思った。「甲子園は届かない場所じゃない」

 綾羽(滋賀)と聖隷クリストファー(静岡)は1回戦を勝ち上がった。未来富山は敗れたが、本塁打を放つなど力を見せた。全国最多173チームの頂点に立った豊橋中央(愛知)は、全国制覇2度の日大三(西東京)を相手に2―3と接戦を演じた。エースの高橋大喜地(だいきち)は「力は発揮できた。勝てると思って投げていた」と振り返った。

 全国の多くの選手たちにとって、甲子園への道は果てしないものに感じるかもしれない。ただ、「俺たちだってやれる」と信じることは、確実に距離を縮める。その思いが連鎖すれば、高校野球はもっと面白くなる。(大宮慎次朗)