<第107回全国高校野球選手権大会:尽誠学園3-0東大阪大柏原>◇12日◇2回戦◇甲子園 尽誠学園(香川)が大黒柱の活躍…
<第107回全国高校野球選手権大会:尽誠学園3-0東大阪大柏原>◇12日◇2回戦◇甲子園
尽誠学園(香川)が大黒柱の活躍で2002年以来、23年ぶりの夏勝利を挙げた。
先発の広瀬 賢汰投手(3年)が、6安打無四球の完封勝利。わずか108球で大阪代表の東大阪大柏原打線をほんろうした。スライダーを中心とした変化球を低めに集め、キレのある直球で詰まらせた。緩急をうまく使って、打者にジャストミートさせなかったことが快投につながった。
4番打者としても仕事を果たした。6回、2死一、二塁から2番の木下 立晴外野手(3年)が適時打を放って先制。さらに回ってきた満塁のチャンスで、左前への2点適時打を放って3対0とリードを広げた。エースとして、4番として投打にわたり勝利に大きく貢献した。
近年の高校野球では珍しくなった「エースで4番で主将」の広瀬は、勝利をつかんだ試合をこう振り返った。
「相手は直球を狙ってくる感じがあったので、スライダー、カーブを低めに集める投球を心がけた。(自分の)タイムリーの場面については、初回にフェンス際の大飛球(右飛)で手応えはあったが風で戻されたので、低い打球を打つことを心がけた。キャプテンを申し出たのは、自分がなんとしてもチームを変えたい思いがあったからです」
西村監督も「エースらしく堂々と投げて守備のリズムを作ってくれた。打つ方でも気持ちで押し込んでくれた。あの2点は大きかった」とエースの活躍に目尻を下げた。
広瀬は勝利後の校歌を歌い終えると、一塁側アルプスに向かって駆け出すナインとは逆に、三塁側ベンチに向かって1人、一礼した。チームを代表する主将として、相手チームへのあいさつも忘れなかった。「エースで4番で主将」。すべてにおいて大役を果たした左腕に、甲子園の観客からも惜しみない拍手が送られていた。