世界王者を破り、絶叫した張本(C)Getty Images 気迫のプレーで強敵を打ち破った。 8月11日、卓球のWTTチ…

世界王者を破り、絶叫した張本(C)Getty Images

 気迫のプレーで強敵を打ち破った。

 8月11日、卓球のWTTチャンピオンズ横浜は男子シングルス決勝が行なわれ、パリ五輪代表の張本智和(世界ランク4位)が今年の世界王者・王楚欽(同2位、中国)を4-2で撃破。3年ぶり2度目の優勝を飾った。

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 序盤から強気に攻め抜いた。第1ゲームを先取した張本は、第2ゲームも2-2の同点から5連続得点を挙げ一気に引き離して11-5でゲット。続く第3ゲームは接戦となるも11-9で獲得。精彩を欠く王楚欽を尻目に怒涛の3連取をした。

 それでもさすがは世界王者である。張本は猛反撃に合って第4、5ゲームを落としてしまう。勝負の第6ゲームも序盤から先行すると、中盤にかけて一気に引き離して11-4で押し切った。

 世界王者から金星に感情を爆発させ、「本当に信じられない」と喜んだ張本。そんな日本男子エースの躍動に中国メディアも脱帽する。スポーツメディア『捜狐』は「張本が王楚欽を破ったのも当然の結果だ」と断言。序盤から主導権を握り、最後まで攻勢を貫いた張本の戦いぶりを「完全に押していた」と称えた上で、「王は土壇場での問題解決能力が明らかに不足していた。常勝の王者など存在しない。中国卓球界はこの教訓を活かし、学ぶべきだ」と厳しい論調を展開した。

 また、同じく中国のスポーツメディア『新浪体育』は「王楚欽に関して最も悔やまれるのは、張本に敗れた際に、ろくに挨拶すら交わさなかったことだ」と指摘。卓球大国きってのエースが見せた試合後の振る舞いを断じている。

「張本には若者らしい自信と信念がある。言いたいことを言い、行動し、挑戦する勇気がある。王は負けを素直に認めるべきだった。彼がこれほどまでのミスを犯したことが敗北に繋がったのだ。

 そして、中国卓球界はもっと視野を広げるべきだ。永遠に金メダルを手にできるわけがない。負けたなら負けを受け入れるべきで、相手を非難するようなことは言うべきではない。もう卓球界の一強時代は終わった。努力を怠れば、この先はさらなる苦境に立たされるだろう」

 卓球王国にとっても大きな衝撃を生んだ張本の世界制覇。その余波しばらく続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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