(12日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 松商学園―岡山学芸館) 松商学園の遊撃手・漆戸大晟(2年)は守備位置に…

(12日、第107回全国高校野球選手権大会2回戦 松商学園―岡山学芸館)

 松商学園の遊撃手・漆戸大晟(2年)は守備位置につくと必ず、帽子を脱ぎ、足をそろえて、グラウンドに一礼する。

 練習でも試合でも変わらないその動作は、小学生のころに誰に言われるでもなく始めた。

 「野球の神様はいると思っているので」。理由をそう話す。「プレーさせてもらう前に『よろしくお願いします』と伝えています」

 この夏に甲子園に出場する代表49チームの中で、地区大会無失策は松商学園と沖縄尚学の2チーム。松商学園は長野大会の7試合をノーエラーで勝ち抜いた。

 漆戸はその堅守の要だ。モットーは「守備を楽しむ」。守備範囲が広く、久保田悟との2年生二遊間コンビは連係もいい。「冬に基礎練習を積んで、それが夏になって応用できている。ミスをしてはいけない、ではなく、ミスを恐れない攻めの守備ができている」。そう手応えを語る。

 長野大会決勝の佐久長聖戦。3―1での勝利を決めた最後のアウトは遊ゴロだった。

 捕球から送球まで、ボールの流れを鮮明に覚えている。緊張してもおかしくない場面だったが、「何も考えず、体が自然に動いた感じだった」。

 その後にあふれてきた喜びは「たぶん一生忘れない」。これまでの野球人生で最高の経験は、神様からのプレゼントだったのかもしれない。

 甲子園で見せたいのも「攻めの守備」だという。「難しい打球が来てほしい。大舞台で、自分の見せ場になるので」

 「聖地」の神様にもいつもと変わらずあいさつをして、岡山学芸館との初戦に臨む。(菅沼遼)