かつての同僚である角田に想いを寄せたガスリー(C)Getty Images 今年3月の電撃的な昇格以降、F1の名門レッド…

かつての同僚である角田に想いを寄せたガスリー(C)Getty Images

 今年3月の電撃的な昇格以降、F1の名門レッドブルで“結果”を示せずにいる角田裕毅。昇格後12戦で獲得ポイント7と低迷する25歳の日本人ドライバーを巡っては、今夏の中のショッキングな更迭の可能性も論じられるなど去就問題も浮上している。

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 直近7戦で獲得ポイントはゼロの角田は、チームの顧問を務める重鎮ヘルムート・マルコ博士も「ツノダがあまりにもポイントを取れなさすぎる」と断じるほどの苦境にある。7月9日に新代表となるローラン・メキース氏を招聘し、抜本的な見直しを図るチーム情勢にあって、その立場は平穏とは言い難い。

 そうした中で、角田の困窮する立場に理解を示す者もいる。トロロッソ(現レーシングブルズ)時代の同僚でもあるピエール・ガスリー(アルピーヌ)だ。オランダのモータースポーツ専門メディア『Racing News365』のインタビューで「難しいこともある」と角田の心情を慮った。

 かく言うガスリーも2019年にレッドブル加入。ただ、エースドライバーのマックス・フェルスタッペンが“優先”されるチーム内で成績が振るわず、わずか半年でトロロッソに出戻るという憂き目に遭っていた。

 絶対的であるエースを支えながら、結果を求められる。そんなレッドブルにおけるセカンドドライバーの苦しみを知る29歳のフランス人は、「難しいのは自分の時間を持つことなんだ。あのチームでは多くのことが言えない。なぜなら、単にドライバーであり、あくまでチームの一員として働いていると認識されるからだ」と強調。その上で、自身を重なる角田の現状に意見している。

「ユウキと話をしていると、言えないことがあるんだと分かってくる。それは簡単なことじゃないし、ああいう状況にいること自体が楽じゃない。チームにとって最善を尽くそうと努力しようとした時に、うまくいくように何かを与えられることもある。だけど、いろんな理由で、自分の望むようにはうまくいかない状況に陥ることの方が多い」

 し烈な競争を求められるレッドブル内部でのセカンドドライバーの扱いに、暗に疑問を呈したガスリーは、「自分ははただ友人として彼と話をして、彼の役に立つかもしれないことについてアドバイスするようにしている」と吐露。「最終的に彼をどう機能させるか、機能させるために正しいことを行えるかはチーム次第だ」と断じている。

 ハンガリーGP後には「こんなの馬鹿げている」と苛立ちを隠せずにいた角田。そんな日本人の気持ちに寄り添ったガスリーの言葉は、なんとも説得力に満ちていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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