高寺はプロ初の猛打賞と着実に階段を上がっている(C)産経新聞社 阪神は8月10日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)に5-2…

高寺はプロ初の猛打賞と着実に階段を上がっている(C)産経新聞社

 阪神は8月10日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)に5-2と勝利。投打がかみあっての快勝で優勝マジックは「29」とした。

 先発、才木浩人は9回126球10安打2失点の力投で、2年連続となる節目の10勝目を飾った。

【動画】この一発が見たかった!阪神・高寺がプロ初アーチを放ったシーン

 打線では主砲、佐藤輝明の勢い止まらず。3回二死走者なしの場面で相手先発、奥川恭伸の127キロ変化球をしっかり捉えて、31号アーチを放つと、この日は先制打含む、今季2度目の4安打と頼もしすぎる姿を見せた。

 また、心強いパフォーマンスを示す選手にも注目が高まっている。

 「6番・左翼」で先発出場した高寺望夢は3回に中前打、5回も四球をしっかり選びチャンスメイクに貢献。6回は遊撃内野安打、8回は一死三塁の好機に中前へ運び適時打をマーク。3安打1打点、プロ初の猛打賞となった。

 元々天性のバットコントロールのたくみさで知られていたが、選球眼も良くしっかり好球必打できていることも好調の要因となっている。週末のヤクルト3連戦では2試合のスタメン含め、9打数7安打、打率.778、1打点と打ちまくった。

 また高寺といえば、高卒5年目シーズン。ファンの間では2020年ドラフト組の顔ぶれの凄さにも注目が高まっている。

 1位 佐藤輝明(近畿大学)

 2位 伊藤将司(JR東日本)

 3位 佐藤蓮(上武大学)

 4位 榮枝裕貴(立命館大学)

 5位 村上頌樹(東洋大学)
 
 6位 中野拓夢(三菱自動車岡崎)

 7位 高寺望夢(上田西高校)

 8位 石井大智(高知ファイティングドッグス)

 今季がプロ5年目を迎える世代は令和初の三冠王も視野に入る、主砲佐藤輝を筆頭に、丁寧に低めをつく投球が持ち味の左腕、伊藤将司は今季ここまで8試合に先発、1完投、1完封含む防御率1.06と圧巻の成績を残す。2番打者として定着した中野拓夢は打率.290と攻守ともに欠かせない存在であることは言うまでもない。

 さらに同8位の石井は今季は頭部死球のアクシデントもありながら、藤川球児監督と並ぶセ・リーグ記録タイとなる38試合連続無失点記録を樹立するなど、勝利の方程式に欠かせない剛腕で知られている。

 それぞれが自身の持ち場で輝きを放つ中、高卒野手の育成が課題とされたチームで、高寺が存在感を示し始めた。

 これで3試合連続マルチ安打、打率も.282まで上昇。高寺をめぐってはファンの間からも「やわらかいバッティングするわ!」「高寺の台頭は大きな戦力」「レギュラー、獲れるんじゃ」「打席でいやらしさが出てきた」「集中力を感じる」「本当に神ドラフトだな」と、続々と反響が高まっている。

 現在左翼は高寺に加え、前川右京、中川勇斗、豊田寛、熊谷敬宥ら若手のチャレンジ枠ともなっているが、果たして誰が定位置奪取となるか。藤川監督の先を見据えたチーム作りにも引き続き、注目が集まっていきそうだ。

*数字はすべて10日現在

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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