◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 最終日(10日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7…

ジャスティン・ローズ(左)らとのプレーオフにも進出ならず

◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 最終日(10日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288yd(パー70)

待ち望んだタイトルは今度こそ手の届くところにあった。70ホール目のティイングエリアに立った段階で後続とは2打差。トミー・フリートウッド(イングランド)のPGAツアーキャリア162試合に及ぶ挑戦はついに、大きな花が咲くと思われた。

単独首位でスタートした最終日は、最終組とその1つ前の組の計4人の争い。出だし1番でいきなりボギーを喫し、その後10ホールでパーが並んだフリートウッドのエンジンは後半12番でかかった。8mのバーディパットを沈めてガッツポーズ。スコッティ・シェフラーJ.J.スポーンと通算13アンダーのトップで並ぶと、続く13番では5mのチャンスをものにして単独首位の座を奪い返した。

14番(パー3)で2.5mのパーパットをしぶとく沈め、残り100ydからの2打目ピンそば1.5mにつけた15番で後続に2ストローク差をつける16アンダー。あとは4日間で最も易しい16番で伸ばせば…と、多くの人がそう確信した矢先、このパー5の3打目のアプローチがグリーンオーバーしてパーどまり。隣のジャスティン・ローズ(イングランド)が4連続バーディとした17番で、フリートウッドはフェアウェイからパーオンできずボギーとした。

17番のティショットはフェアウェイに置いたが...

3バーディ、2ボギーの「69」で15アンダー。悲願の初勝利をつかむためのプレーオフにも進めなかった。3位に「もちろん、がっかりだ」と一声を発し、「今回もポジティブな点はきっとあると思うけれど、今すぐには感じ取れない。自分に何ができたか、どれほど惜しかったかを振り返らなくてはいけない」と頭を整理するように言葉を並べた。

6月の「トラベラーズ選手権」では3打差の首位で迎えた最終日に逆転負け。通算6回の2位フィニッシュは、未勝利が続く選手の中で現在最も多い。

どれだけ負けても、フリートウッドはきょうも「こういった経験、惜敗を次に起こることに対してネガティブに影響させることに意味なんてないんだ。素晴らしい週だった。自分をまた同じポジションに置いてプレーしたい」と懸命に笑顔を作って言った。「ファンがそばにいてくれる限り、前向きでいられる。トラベラーズでは素晴らしい雰囲気を感じられた。きょうもたくさんの応援があった。まるで一緒に(初勝利への)旅をしているみたいだ」。大声援への感謝も忘れなかった。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)