◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 最終日(10日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7…
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 最終日(10日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288yd(パー70)
最終戦アトランタへの道は自らの手で切り開くしかない。12年連続出場となったプレーオフシリーズの初戦。松山英樹は前年優勝大会の最後に、いま求められる仕事をした。38位から6バーディ、1ボギーの「65」。通算7アンダーの17位に順位を押し上げてフィニッシュした。
スコアを1つ伸ばして迎えた前半7番。3mのパーパットがカップの右にそれた。1Wショットのミスをカバーできず、悪い方向に傾きそうだった流れは、すぐに止めなくてはならない。続く8番(パー3)。砲台グリーンへのティショットをピン左4mにつけてバウンスバックを決め、反撃に打って出た。
後半11番(パー3)、同じ組のキャメロン・デービス(オーストラリア)の第1打が水しぶきを上げた後、松山が9Iで描いた放物線はアイランドグリーンに立つピン右手前4.5mをとらえた。残り162ydから8Iと迷った末に9Iを強振して1mのチャンスをつくった13番でまたバーディ。「6番、7番以外、後半はほぼ、良いアイアンショットが打てた。これを続けていけばいい」と思える“らしさ”が戻った。
年間ポイントレース(フェデックスカップ)は大会前の21位をキープ。通常大会の4倍のポイントがかかるポストシーズン第1戦でランクを守った。上位50人による次週の第2戦「BMW選手権」(メリーランド州ケイブスバレーGC)を前に、最終戦(第3戦)「ツアー選手権」(ジョージア州イーストレイクGC)進出に前進。ポイントを1496ptに積み上げ、2023年のトップ30のボーダーラインだった1503pt、24年の1617ptに近づいた。
ノーボギーで終えたバックナインに不満が残らなかったわけではない。15番では1mのバーディパットを外し、16番(パー5)はグリーン右手前からウェッジで寄せた3打目のアプローチは「たまたま」という評価。7mを沈め2連続バーディを呼んだ17番のパットは「ある程度、打ったことがあるラインだったので。グリーンは(昨年から芝が)変わったとはいえ、同じような感じだった。うまく打てればと思っていたんですけど…ミスしても入りましたね」。経験が生きただけでなく、ツキもあった。
アトランタで行われる2週後の最終戦は今季、直前のランキングによるハンディキャップが撤廃され、出場30人が同じ条件で年間王者のタイトルを争う。「最終戦に行ければなんでもいいんで、ことしは。それに近づいたので良かった」。前週の「ウィンダム選手権」から続く4連戦は望むところ。「体力は大丈夫。(体の)痛みとうまく付き合いながらできたらいいなと思います」。力を最後まで振り絞る。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)