全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は10日、剣道や相撲など、計5競技が4県で行われた。 鳥取城北3年 井上泰…

 全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は10日、剣道や相撲など、計5競技が4県で行われた。

 鳥取城北3年 井上泰我選手

 勝てば優勝が決まる場面で回ってきた。時間をかけて静かに手をつくと、行司の合図で相手に迫り、寄り切りを決めた。悲願の優勝を報告したい人がいた。

 相撲部の後輩の母親・豊田住英さんが6月に亡くなった。いつも応援に駆けつけて、笑顔で元気づけてくれた存在。インターハイに行きたがっていた豊田さんの思いに応えたい。 訃報ふほう に接して「総体優勝」を誓った。

 予選から1度も負けずに決勝に進出。土俵に手をつくまでの時間はゆっくりと感じ、豊田さんが隣でパワーをくれた気がした。遺影を手にし、涙を流して「本当にうれしい」と喜んだ。(藤川泰輝)