セ・リーグでのDH制導入によって巨人や阪神などあらゆるチームの戦術は大きく変化すると考えられる(C)Getty Imag…

セ・リーグでのDH制導入によって巨人や阪神などあらゆるチームの戦術は大きく変化すると考えられる(C)Getty Images

 戦い方を変化させる新ルールの導入が話題を呼んだ。去る8月4日、セ・リーグは理事会を開き、2027年からDH制を導入することを発表した。

 決定までに時間を要した感は否めない。DH制は、22年から両リーグでの同ルールが採用されたMLBはもちろん、日本でも東京6大学野球、そして高校野球でも来春センバツからの導入が決まっており、いわば「球界の一般常識」的な見方は強まっていた。

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 そうした中で、最後の最後まで頑なに導入を拒んでいたセ・リーグがついに変わる。これには、日本国内はもちろん、隣国でも驚きの声が広まった。

 1982年の国内リーグ発足時からDH制をはじめていた韓国のスポーツメディア『OSEN』は、セ・リーグでの導入について「『投手も打席に立たなければならない』という伝統を固持してきた日本のセントラルリーグがついに変化を選んだ」と強調。「彼らは野球の原型を守ると頑なに拒否をしてきたが、グローバルの波に逆らえなかった」と野球界の国際化が進む中で、セ・リーグが変化を選ばざるを得なかったという見解を寄せた。

 そして、同メディアは重い腰を上げたセ・リーグのDH制導入によって「日本の野球はようやく目覚め、伸びをする段階になった」と論じている。

 今回の変更について「イチローや大谷翔平を輩出した国の水準はまた変わるだろう」と肯定的にも捉える同メディアだが、正式導入が決まるまでに時間を要した事実を厳しく断じてもいる。

「NPBは韓国やアメリカに比べて数歩遅れている状態だ。日本、とくにセ・リーグは変化に対する拒否感が強すぎた。韓国は新しい変化を積極的に取り入れてきた。その点で言えば、日本よりも先を行っている。もちろん、日本野球の実力を疑う気はないが、今は興行的な面で先を行っているのは韓国なように思える」

 果たして、「野球の伝統」を重んじてきたセ・リーグ、ひいてはNPBはDH制の導入によってどう変わっていくのか。各チームの強化を含めて注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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