真価が問われ続けている今季の角田(C)Getty Images 14戦までを消化した今季のF1は、目下、恒例のサマーブレ…

真価が問われ続けている今季の角田(C)Getty Images
14戦までを消化した今季のF1は、目下、恒例のサマーブレイクの真っただ中にある。次回オランダGPまで約3週間と時間が空いているわけだが、各チームの後半戦に向けたあらゆる強化に関する話題は尽きない。
【動画】表彰台で酒をグビグビと飲み続ける…フェルスタッペンの行動を見る
とりわけ高い関心を集めるのが、レッドブルだ。数々の栄光を掴んできた名門だが、今季は開幕から低迷。第14戦のハンガリーGPを終えた時点でコンストラクターズランキングでも1位のマクラーレンとは365ポイント差の4位と大きく水を空けられている。
すでに大掛かりなチーム改革は施されている。現地時間7月9日には、約20年に渡って陣頭指揮を執ってきたクリスチャン・ホーナー代表を更迭。姉妹チームのレーシングブルズからローラン・メキース新代表を昇格させ、組織の見直しも図っている。
それでも状況は芳しいとは言えない。そうした中で今年のサマーブレイクは重要な強化期間となるのだが、一部メディアにおいてレッドブルの復調のキーマンとして挙げられているのが、今年3月末に電撃昇格果たした角田裕毅だ。
かく言う角田も“結果”は残せず、もがいている。昇格後12戦で獲得ポイント7と求められた役割を果たしているとは言い難い。
ただ、そうした結果は一概に角田の技量だけの責任ではないという見方もある。オランダのモータースポーツ専門メディア『Racing News365』は、25歳の日本人ドライバーの現状を「悪夢」と表現。その上で「ツノダのここまでの不振はレッドブルの責任でもある」と断言した。
同メディアがレッドブル陣営の責任を追及するのは、各ドライバーに採用している運用方法にある。エースドライバーのマックス・フェルスタッペンには、マシンアップデート(改良)が集中的に行われてきた一方で、角田はベルギーGPでの公式予選で新型のフロアパーツが装着されるまで、旧式パーツで臨む日々が続いていた。
そうしたエースとセカンドドライバーの間に生じる“格差”を『Racing News365』は問題視。「悲惨な結果を招く原因にもなってきた」と追及している。
ただ、メキース代表は巷で問われる責任をはっきりと理解している。同メディアの取材に応じたフランス人は、「マックスとユウキに、我々が競争力のあるマシンを用意できなかった」とハンガリーGPでのチーム体制を猛省。そして、角田に期待を寄せた。
「現実として、ユウキはおそらくキャリアで初めて、Q1の1回目のアタックでマックスから0.2秒差、2回目のアタックでは0.15秒差という位置につけた。しかもマックスは決してトラック上で楽をしていたわけではなかった。だから、これは非常に強い、もしかするとこれまでで最高のサンプルかもしれない」
果たして、角田は、そしてレッドブルはどこまで状態を上げられるのか。マシン改善の進捗次第では、後半戦の巻き返しに大きな期待が持てそうだが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「こんなの馬鹿げてるよ!」角田裕毅が陣営に浴びせた怒り 残酷な0秒024差のQ1敗退はなぜ起きたのか?「とにかく遅い」
【関連記事】再び失速で「何もうまくいかない」 角田裕毅だけじゃなく、“エース”も漏らした自軍マシンへの不満 重鎮マルコの見解は?
【関連記事】「僕らの比較はフェアじゃない」角田裕毅がフェルスタッペンとの“比較論”に本音吐露「同じマシンを手に入れるまで出来ない」