第107回全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)は大会第5日を終えた。ここまでは夕方からの開会式開催、その後の1試合だ…

第107回全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)は大会第5日を終えた。ここまでは夕方からの開会式開催、その後の1試合だけのナイター開幕戦、第2日からは2部制の導入など、新たな試みのなか、1回戦15試合を消化した。

 10日の雨天中止空けの11日からは、昨年同様の流れとなる。ここまでの試合を振り返り、昨年の開幕からの15試合と比べて傾向を探ってみた。

★接戦が激増
 今年は延長タイブレークとなった試合が5試合。昨年はわずか1試合だったことを考えれば、大幅に増えたことになる。延長に入らずとも、2点差以内の試合が9試合と、昨年の6試合を上回った。

★完投も増加
 今年は勝敗関わらず1回戦で完投したチームが12チーム。そのうち、完封は3試合で、仙台育英(宮城)・吉川 陽大投手(3年)と、沖縄尚学(沖縄)・末吉 良丞投手(2年)、横浜(神奈川)・織田 翔希投手(2年)が、前評判通りの投球を見せて完封勝利を挙げた。第2日の第3試合から7試合連続で完投勝利投手(2完封を含む)が続いた。

 延長タイブレークでも5試合中、3試合でどちらかのチームが完投している。昨年は完投したチームは10チームで完封は1だった。1試合だけの延長タイブレークではともに継投だった。

★得点減
 今年のここまでの1試合最多得点は6点。それも3試合しかなかった。昨年は最多得点が開幕戦の10点で、6点以上が入った試合は、9試合もあった。

 接戦が多く、その内容も派手な激しい打撃戦ではなく、互いに1点ずつを取り合うような試合展開を演じているようにも映る。新基準バットの採用で野球が少しずつ変わり、開催条件の違いなどにより、投手の体力的な負担も減ったこともあるかもしれない。

 ここまで好投手が登場してきた条件も重なったかもしれないが、完投する投手が増えてきていた。これからは2部制ではなくなるため、日中の暑い時間帯での試合も行われ、また違った結果も出てくるかもしれない。

 今後、DH制への変更もあり、7回制なども議論されている。改革が進むなかで、今年のここまでの結果は、大いに参考になると思われる。