◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 3日目(9日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇72…
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 3日目(9日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288yd(パー70)
21ホールを回った土曜日は終わりが近づくにつれて、あきらめに近いフラストレーションが膨らんだ。1年前、大会コース記録の通算17アンダーをたたき出したコースで、ことしは3日目を終えて2アンダー。ポストシーズンも松山英樹の顔には精神的な疲れが浮かぶ。
早朝は、悪天候によりプレーが順延された前日第2ラウンドの残りからプレー。後半16番(パー5)の2打目から再開し、見事なバンカーショットからバーディを決めた後、上がり2ホールで第1打を右に曲げ、連続ボギーを喫して「70」で終えた。
続く第3ラウンドまでの約2時間の休憩中にショット修正に取り組み、開始2ホール目の11番(パー3)でバーディが先行した。同伴のJ.T.ポストン、ジョーダン・スピースがアイランドグリーンへのティショットを立て続けに池に入れた直後に、ピン左5mにチャンスメーク。16番(パー5)ではバンカー手前のふちから左足下がりのライをものともせず、ウェッジでショートサイドのピンに寄せて2つ目のバーディを奪った。
1Wショットを右に曲げた17番、ロングアイアンで木々のあいだを抜き、スライスをかけてパーオンさせるスーパーショットでギャラリーを驚かせる。3mのパーパットを沈めると、18番では4mを流し込んで前半インで3つ伸ばした。
さらなるチャージを狙った後半。突然、期待がしぼんでしまう。3番(パー5)で2mのバーディチャンスを外し、4番(パー3)では2m強のパーパットを沈められずボールを池に投げ込んだ。「前半17番のパーパット、1番(2m弱のパーパット)も決めきれたので、『きょうは流れが途切れず行けるかな』と思ったんですけど、3番、4番で切ってしまいました」と唇をかむ。最終9番は奥からのアプローチがグリーンを越え、あわや池ポチャの危機。長い一日の締めくくりはボギーで「69」と三たび停滞した。
通算2アンダーは連覇が絶望的な首位と12打差の38位。プレーオフシリーズに入っても、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ試合でも、優勝した1月の開幕戦「ザ・セントリー」以来のトップ10が遠い。「ずっと同じようなゴルフをしているので、(後半は)『ハイ、ハイ』と思いながらやっていました。悪い感じではないですし、それが18ホール続けられないのが、セントリー以降の課題」。吐き出すため息は大きい。「頑張ります」と背中を丸めながらドライビングレンジに向かった。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)