(9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 西日本短大付4―3弘前学院聖愛=延長十回タイブレーク) 待ちに待った出…

 (9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 西日本短大付4―3弘前学院聖愛=延長十回タイブレーク)

 待ちに待った出番は1点を追う七回1死二塁。西日本短大付の園原勘太は三塁コーチに入っていた。西村慎太郎監督にエース中野琉碧(るい)の代打に呼ばれ、慌てて打席に入った。

 背番号18。今春の選抜大会も、今夏の福岡大会も出番はなかった。「ずっと悔しかった。思いをスイングにぶつけた」。フルカウントから直球を左前に運んだ。一、三塁とし、次打者の中犠飛で同点に追いついた。

 七回から登板した背番号11、原綾汰(りょうた)は選抜の準々決勝・横浜戦で4失点。「自分のせいで負けた」。この日はボールを低めに集め、ゼロを重ねた。1点リードで迎えた十回のタイブレークも無失点で切り抜け、逆転勝利をつかんだ。「一つ、借りを返せた」

 3季連続の甲子園出場。レギュラーが経験豊富な一方で、課題は明白。4月のミーティングで園原は仲間に語りかけていた。「強いチームは背番号2桁のレベルが高い。底上げが必要だ」

 誓いを現実にしつつある。(塩谷耕吾)