(9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 弘前学院聖愛3―4西日本短大付=延長十回タイブレーク) 思い切り伸ばし…
(9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 弘前学院聖愛3―4西日本短大付=延長十回タイブレーク)
思い切り伸ばしたミットに白球が収まった。
延長十回タイブレーク。表の攻撃で1点を勝ち越した西日本短大付は、その裏の守りをどう抑えるかが鍵だった。
無死一、二塁で、相手はバントの構え。西短の山下航輝捕手(3年)は打球が転がる前方にダッシュする準備をしていた。
初球。打球は小フライとなり、予想とは反対の左後方へ上がった。その瞬間、山下は「体が反応した」。すぐさま打球を追い、精いっぱいのダイビングキャッチに成功。大一番で飛び出したスーパープレーに、甲子園の観衆から大歓声と拍手がわきおこった。
山下は「(マウンドの)原が厳しい中でしっかり投げてくれていたので、少しでも助けられるように必死にやろうと思った」と振り返り、後続も抑えて2年連続の初戦突破に貢献した。
「なかなか練習ではできないプレー」と自身も驚く。「一歩目は(スタートが)切りにくいんですけど、しっかり集中できていたかな」と満面の笑みで振り返った。
打っては四回、広い右中間スタンドまで届く先制アーチをかけた。福岡大会決勝でも2年連続で本塁打を放っており、この甲子園でも主役になった。
「やっぱり『持っている』と思います」とにんまり。捕手のレガースをつけたままお立ち台に上がり、大活躍の余韻をたっぷり楽しんでいた。(室田賢)