現在開催中の「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」で、準々決勝を勝ち抜いたマルチナ・ヒンギス(スイス)/チャン・ユンジャン(台湾)ペア。その女子ダブルス世界1位、ヒンギスが引退の意思を表明している。ダブルスの準々決勝で勝利した…

現在開催中の「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」で、準々決勝を勝ち抜いたマルチナ・ヒンギス(スイス)/チャン・ユンジャン(台湾)ペア。その女子ダブルス世界1位、ヒンギスが引退の意思を表明している。

ダブルスの準々決勝で勝利した後、ヒンギスはツイッターとフェイスブックでの情報を認めた。第1シードのペアであるヒンギスとユンジャンは、ドイツのアンナ レナ・グロエネフェルト(ドイツ)とクベタ・ペシュケ(チェコ)を6-3、6-2で破った。

「今年の始めからユンジャンに話したわ、『ねぇ、これが私の最後の年になると思う』って」とヒンギスは語った。

「今季のようなシーズンの後では続行を考える人たちがいるだろうけれど、頂点に立っている時に終わりたいから完璧なタイミングだと思う。これ以上ない終わり方だわ」と続けて語った。

現在37歳のヒンギスは、引退と復帰を重ねたキャリアの中で、5個の4大大会シングルスタイトル、13個の4大大会ダブルスタイトル、そして7個の4大大会混合ダブルスタイトルを数えた。全体で43のシングルスタイトルと64のダブルスタイトルを勝ち取り、また、シングルとダブルスで世界ランキング1位を同時に達成した経歴を持つ6人の選手のうちのひとりである。

今年ヒンギスは、「全米オープン」を含む9つの女子ダブルスのタイトルをユンジャンと奪取した。「ウィンブルドン」と「全米オープン」の混合ダブルスでも、ジェイミー・マレー(イギリス)とトロフィーを獲得した。去年の「WTAファイナルズ」では、サーニャ・ミルザ(インド)とダブルスのタイトルを勝ち取った。

ヒンギスは、2003年に怪我のため初めてテニスから離れた。2006年に復帰したが、2007年の「ウィンブルドン」での検査で薬物のコカインに陽性反応を示した後、再びコートを去った。すでに引退していたにもかかわらず、2008年には薬物陽性反応に対して2年間の出場停止を宣告された。

「前の時は、シングルスと、それからダブルスで、プレーできるかもしれないという考えがいつも頭のどこかにあった。前は戻ってくるかもしれないと考えていたけれど、今回は完全な引退だと思う。」とヒンギスは語った。

2013年、ヒンギスはダブルス専門の選手としてテニスに戻ってきた。2013年の復帰以来、4大大会で10個のダブルスタイトルを獲得した。

「これから先のことを楽しみにしているし、テニスはいつも私の人生の一部であり続ける。」とヒンギスは語り、「これまでの経験は、間違いなく私が生涯忘れないものの1つとなるわ。」と付け加えた。

一つの輝かしい時代を築いた女王マルチナ・ヒンギス。その姿を最後の最後まで、目に焼き付けたい。(C)AP(テニスデイリー編集部)※写真は、三度目の引退を表明したヒンギス(「全米オープン」優勝時のもの)

(AP Photo/Julie Jacobson, File)