阪神甲子園球場で開かれている第107回全国高校野球選手権大会の審判委員として、静岡県掛川市の会社員石山和彦さん(46)…
阪神甲子園球場で開かれている第107回全国高校野球選手権大会の審判委員として、静岡県掛川市の会社員石山和彦さん(46)が派遣されている。県内からの派遣は2年ぶり。審判として夢だった舞台に立っている。
石山さんは、小中学校で野球に打ち込み、小笠高校ではプロを目指してサッカー部でプレーした。しばらく野球から離れていたが、息子2人の少年野球をきっかけに10年前、保護者として当番で試合の審判を務めた。勉強するほど奥深さを知り、のめり込んでいった。
37歳の時に県高野連の審判として登録し、高校野球に加え、大学や社会人野球の審判を務めながら、自費で県外の講習会に参加するなどして技術を高めてきた。
「選手と同じフィールドで試合に参加でき、一緒に試合をつくりあげるのが本当に楽しい」
自動車部品メーカー「NSKワーナー」(袋井市)で勤務する。夜勤明けに試合に駆けつけることもあるが、楽しくて苦にはならない。試合にあわせて休暇を取れるよう、協力してくれる会社や家族に感謝する。
「審判の身なりは信頼性につながる。一つのジャッジの説得力が変わる」。試合前には用具や靴を拭き上げ、シャツやスラックスにもシワがないよう自分でアイロンをかける。試合中はジャッジを出すタイミングや手の動きに気を配る。
意欲的な姿勢や地域の野球振興に貢献していることなどが評価され、県高野連から派遣審判委員に推薦された。甲子園での審判は目標だった。「頑張れば、少年野球の保護者の審判から、審判歴が短い中でも、甲子園に行けることを発信したい」と石山さん。うれしさとともに、プレッシャーも感じる。「ミスができない、という怖い気持ちも半分ある」。緊張感を保ちつつ、大舞台で懸命にボールを追う選手たちに寄り添うつもりだ。(斉藤智子)