◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 2日目(8日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇72…
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 2日目(8日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288yd(パー70)
ティショットを右サイドのバンカーに突っ込んだ最終18番で、この日唯一のボギーが来た。望んだ締めくくりではなかったものの、トミー・フリートウッド(イングランド)は「この2ラウンドのスコアはもちろん、すべてがうまくいった結果」と胸を張る。初日の「63」に続いて「64」。悪天候により21人がホールアウトできなかったとはいえ、通算13アンダーは後続に4打差を付けて暫定トップに立った。
1打差の2位スタートで3連続バーディが先行。残り139ydからの第2打をピンそば2mにつけた序盤2番で勢いづいた。「フェアウェイキープに成功すれば良いスコアに、失敗すれば難しくなる」と第1打の出来次第でコントラストが鮮明になるコース。左に大きく曲げた9番ではレイアップを挟んで6mのパーパットを流し込むしぶとさも見せつける。
インコースでさらに加速。13番から5m以内のチャンスをものにし続け、2オンに成功した16番(パー5)まで一気に4連続バーディ。「9番から12番までは気持ちのいいスイングはできなかったんだけど、13番、14番と良いショットが飛び出した。完ぺきなプレーだった」と汗を拭って振り返った。
今季はトップ10に5回入り、直近の「ウィンダム選手権」をもって終了したレギュラーシーズンの年間ポイントレース(フェデックスカップ)は9位。優勝がない選手の中では最上位だった。DPワールドツアー(欧州ツアー)では通算7勝を挙げながら、米ツアーでの1勝が遠い。「まだPGAツアーで勝っていないけれど、あと少しで届くところに居続けるのは、何もないよりもずっと良いこと」とその瞬間をじっと待っている。
前週はキャメロン・ヤングがキャリアで94試合目の「ウィンダム選手権」で悲願の初優勝。初タイトルをつかむまでには惜敗の連続で、2位が7回という記録は1983年以降で最多だった。そして、フリートウッドは今大会までに161試合に出場し、2位が6回。その中には、ことし6月、「トラベラーズ選手権」でのプレーオフ負けも含まれる(キーガン・ブラッドリーが優勝)。「チャンスは誰にでもある。今週がきっかけになればいい。まずはあしたを楽しみにしている」と表情は穏やか。笑顔で髪を風になびかせた。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)