大相撲の夏巡業「古河場所」が7日、茨城県古河市の体育館で開かれた。今年相次いで角界の頂点に上り詰めた県ゆかりの両横綱が…

 大相撲の夏巡業「古河場所」が7日、茨城県古河市の体育館で開かれた。今年相次いで角界の頂点に上り詰めた県ゆかりの両横綱が、初めて巡業にそろい踏みで参加。勇壮な土俵入りや結びの一番で「満員御礼」の会場を沸かせた。

 古河場所は3年ぶりの開催となった。5月の夏場所後に昇進した第75代横綱大の里関(二所ノ関部屋)を筆頭に、幕内力士ら100人超が参加。7月の名古屋場所で途中休場した第74代横綱豊昇龍関(立浪部屋)も、この日から合流した。

 悠錦(朝日山部屋)ら古河市出身3力士も特別出場。土浦市出身で名古屋場所でも健在ぶりを示した元大関高安関(田子ノ浦部屋)は、腰のけがのため休場した。

 力士たちは土俵上で激しくぶつかり合う本場所さながらの取組で、駆けつけたファンら約2300人から盛んな声援を浴びていた。両横綱による結びの一番では豊昇龍関が大の里関を破り、けがからの復調を印象づけた。

 巡業恒例の「ちびっこ相撲」では、地元のスポーツ少年団に所属する子ども力士たちが次々と土俵に上がり、豊昇龍関や元大関御嶽海関(出羽海部屋)のほか、名古屋場所で初優勝した琴勝峰関(佐渡ケ嶽部屋)ら、あこがれの力士に挑んだ。

 果敢に攻めた中学1年の加藤剛輝さんは「体がずっしりとして重く、なかなか動かせなかった」と力士の強さを実感していた。

 立浪部屋は、立浪親方(元小結旭豊)が2021年までつくばみらい市内に部屋を構え、豊昇龍関は入門から3年半、鍛錬を重ねた。二所ノ関部屋は牛久市出身の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が22年、阿見町に開設していて、県内には豊昇龍・大の里の両横綱を慕うファンが多い。

 この日は両親方によるトークショーも行われた。立浪親方は、横綱昇進後の3場所中2場所で途中休場と苦戦が続く豊昇龍関について「まだ26歳でこれからもっと強くなる。長い目、温かい目で応援してほしい」と話した。

 二所ノ関親方は、新横綱として臨んだ名古屋場所で賜杯(しはい)に届かなかった大の里関について「いつも以上に緊張感があり、調子が上がらなかった。しっかりと稽古をして9月場所(秋場所)で活躍してほしい」と期待を込めた。

 夏巡業は8月31日まで。29日には二所ノ関親方の地元牛久市でも開かれる。(床並浩一)