<第107回全国高校野球選手権大会:横浜5-0敦賀気比>◇8日◇1回戦◇甲子園 横浜・織田 翔希投手(2年)は甲子園初戦…
<第107回全国高校野球選手権大会:横浜5-0敦賀気比>◇8日◇1回戦◇甲子園
横浜・織田 翔希投手(2年)は甲子園初戦の敦賀気比戦に先発し、7安打を打たれながらも完封勝利。
完封は神奈川大会の藤嶺藤沢戦(5回戦)以来。甲子園では初めてとなった。
最後まで代えるつもりはなかった。横浜の村田監督は「今日は織田の日。なんとしても殻を破ってもらいたかった」と振り返るように、雨天中断という難しい環境でもそのスタンスはぶらさなかった。
前半の織田は内容が良かったわけではない。最速149キロをマークしたが、雨もあり、140キロ前半のストレートは引っ掛けることも多かった。だが雨天中断が功を奏した。
「体を冷やさないように気をつけた」と着替えも行い、再開へ向けて準備した。再開後の投球はかなり良かった。駒橋 優樹捕手(3年)は「後半のほうが力も入っていて良いストレートが多かったです」と145キロ以上のストレート、130キロ中盤のスライダーで好打者の敦賀気比打線を封じた。完封できたのは、横浜の鉄壁の守備も大きい。5回表にはレフト・奥村 頼人投手(3年)がダイレクト返球を行い、ダブルプレー。またファースト・小野 舜友内野手(2年)がワンバウンド、ショーバウンドを巧みに処理し、アウトを演出。村田監督は「本当にうまくなった。高山部長のノックのおかげですね」と守備陣を称える。織田は「本当に守りに助けられました。奥村さんにはありがとうございますとお礼しました」と笑顔で振り返る。
また村田監督の発破も大きかった。
「終盤ぐらいに『代わるぞ!』といったら、投げますみたいな感じの反応をして。そこから彼にも気持ちのスイッチが入って、最後まで147キロ投げてましたね。できることを増やす。神奈川でも2連投をして、今回は完封を目指す。彼の成長のためにも、他の投手陣には申し訳ないですが、今日は織田に最後まで投げてもらう日でした。彼にはもっと成長してもらいたいですし、健大高崎の石垣(元気)くん、佐藤(龍月)くんは2年生で日本一になり、さらにすごくなった。この完封は彼をさらに成長させると思います」
織田は「夏で本物の投手になるのが目標なので、甲子園で完封できてよかったです」とハキハキと語った。
調子が悪くてもしっかりと立て直し、7安打完封勝利。最速149キロ・平均球速143キロ。最後まで勢いがあった。甲子園初完封で自信を深めた織田は2回戦以降、調子を上げて、世代ナンバーワン右腕に相応しいピッチングをこれからも見せる事ができるか注目だ。