3か月のリハビリ期間を過ごしてきた佐々木(C)Getty Images おそらく本人が想定していた順風満帆な歩みではない…

3か月のリハビリ期間を過ごしてきた佐々木(C)Getty Images

 おそらく本人が想定していた順風満帆な歩みではない。それでも“令和の怪物”は、着実に前進している。

 今年5月中旬に「右肩のインピンジメント」が判明した佐々木朗希(ドジャース)は、無念の負傷者リスト(IL)入り。「自信を持ってボールを投げられる状態を作らなければならない」(マーク・プライアー投手コーチ談)とした球団の厳正な管理下で約3か月のリハビリをこなしてきた。

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 そして、ようやく実戦復帰の光が差し込んできた。今月5日(現地時間)に取材に応じた佐々木は「健康面はもうだいぶ良くて、不安もないですし、痛みもない中で投げられている」と告白。その上で「今は技術的なところに重点を置いてやっています」と細部のクオリティを高める作業に入っていると明かした。

 その改善に向けた計画の一つが新たな変化球の着手だ。これまで100マイル(約160.9キロ)を超える4シームを軸とした投球を自慢としてきた佐々木だが、この離脱期間中にコーチ陣から提案された2シームも試投。実戦での導入に向けて精度を高めようと模索しているという。

 無論、投球の基本となるフォームにも「どれだけ自分が投げたいフォームで投げられるかと、その再現性と、そういったところを試行錯誤している」と目を向ける佐々木だが、「それぞれ長所と短所があるので、バッターの攻め方にもっといろんな方法を持つ必要がある」と新たなスタイルの構築にも励んだ。

 ただただリハビリをこなす“現状維持”では意味がないと考えたのだろう。ロッテ時代から自身の調整ややり方に強いこだわりを持っていた佐々木の“変化”を指揮官も肯定的に捉える。米メディア『Dodger Blue』でデーブ・ロバーツ監督は「おそらくピッチングコーチの教えと、ショウヘイ(大谷翔平)のプレーやメジャーリーグの打者を観察してきた結果だと思う」と前置きした上で、こう評している。

「2つの異なる速球を持つこと、つまり1つは空振りを取るボール、そしてもう1つは芯を外させてゴロ打たせられるボールを持つことは有効な武器になる。そういう意味で、ロウキが2シームの取得にオープンな姿勢を示していることを私は評価している。何度も言うが、ボールをバレル軌道から外し、ゴロを打たせ、素早くアウトを取る。それこそが本来の投球の目的だ」

 たしかに壁にはぶつかった。それでも己と向き合い、進化を遂げようとしている佐々木は、どのようにマウンドに舞い戻るのか。少なくともファンはメジャーの強打者たちを圧倒する“怪物”が見たいはずである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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