■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目 (8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 花巻東4―1智弁和歌山) 選抜準優勝の…

 ■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 (8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 花巻東4―1智弁和歌山)

 選抜準優勝の智弁和歌山がまさかの初戦敗退? 僕はまさかとは思いません。智弁打線が花巻東の軟投派左腕・萬谷堅心投手の術中にはまったこと。そしてバッテリーの「感性」の差が出たように思います。

 智弁バッテリーには余裕がなかった。一回。1、2番打者に直球を続けて連打を浴び、逆転につながりました。

 五回は2死一塁から渡辺颯人投手自ら牽制(けんせい)悪送球でピンチを広げると、次打者の初球も甘い直球。中前適時打で痛い追加点を許しました。

 六回から救援した宮口龍斗投手も同じです。1死二塁で7番打者に左前適時打。これも初球です。いずれも簡単にストライクをとりにいきました。

 対照的に花巻東のバッテリーは慎重でうまかった。ボール球から入ったり、時折スローボールをまじえたり、しつこく牽制したり。こういうことをされると打者は打ち気をそがれるんです。

 打者が何を狙っているのか、どのコースが打てないのか。これはベンチからは教えられません。捕手が試合の中で感じるしかないんです。智弁の山田凜虎捕手は2年生。この苦い経験を糧にしてほしいです。

 打線ももっと抵抗してほしかったですね。昨夏の甲子園初戦で霞ケ浦(茨城)の左腕にかわされた教訓を生かし、選抜では「賢くなったな」と思っていたのですが、元に戻ってしまったようです。力は持っているだけに悔しい負けでした。(智弁和歌山・前監督)