(8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 花巻東4―1智弁和歌山) 九回2死満塁、フルカウント。花巻東の2年生左…

 (8日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 花巻東4―1智弁和歌山)

 九回2死満塁、フルカウント。花巻東の2年生左腕、萬谷堅心の心は強かった。一発を浴びれば逆転される。押し出しも怖い。そんな窮地に迷わず直球を選び、空振りで締めた。

 「腕の振りを変えないことを意識しました」

 主体とする緩い変化球を投げるときも、しっかり腕を振ることで、緩急の効果が増した。

 五回、走者2人を背負った場面で4番、福元聖矢を追い込み、3球勝負で空振りに仕留めたのも高めの直球。「術中にはまった」と大会屈指の強打者を悔しがらせた。

 萬谷には背番号17の自負もあった。花巻東から大リーグに巣立った菊池雄星、大谷翔平が下級生のときにつけた番号で、大谷はドジャースでも背負う。

 岩手大会では14だった萬谷は「本当に自分がつけていいのかって感じたけど、期待に応えたかった」。選抜準優勝の智弁和歌山に1失点の完投勝利。「出世番号」に、さらに箔(はく)がついていく。(稲垣康介)