◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 初日(7日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288…

◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 初日(7日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7288yd(パー70)
山下美夢有によるメジャー「AIG女子オープン」優勝は、米女子ツアーで今季5人目のルーキーVだった。3月「ブルーベイLPGA」の竹田麗央をきっかけに、その後イングリッド・リンドブラッド(スウェーデン)、岩井千怜、ロティ・ウォード(イングランド)が初勝利をマーク。日本勢のみならず、将来性豊かな新戦力の活躍が著しい。
対して米男子ツアーでは、今季のルーキー35人でタイトルを勝ち取っているのは3人。そのうちカール・ビリプス(オーストラリア)が制した「プエルトリコオープン」、ウィリアム・モウが勝った「ISCO選手権」は、同週にビッグトーナメントが開催される“裏大会”で、獲得したフェデックスカップポイントは最低の300ptだった。500ptの大会(ロケットクラシック)を制したのが南アフリカのアルドリッチ・ポットギーター。3人のうち唯一、年間ポイントレース上位70人によるプレーオフシリーズ初戦に進出した。
1983年以降、20歳までに優勝した史上9人目の選手となったポットギーターの魅力は何と言っても飛距離。今季のドライビングディスタンスはここまで、ロリー・マキロイ(北アイルランド)を4.2yd超える平均327.6ydでツアートップを走る。マキロイが2023年に記録した326.3ydの年間最長記録を超える可能性も十分。少年時代はラグビーとレスリングにも打ち込んだ身長180㎝、体重96㎏の身体から放たれる1Wショットは、ボール初速が時速194マイル(約86.76m/s)にも到達する。
課題にしてきた2打目以降のプレーに苦心するルーキーイヤーは、コーチのジャスティン・パーソンズ氏の指導でアイアンショットとウェッジの飛距離、スピンコントロール向上に精を出している。プレーオフで敗れた2月の「メキシコオープン」の後には、ツアー2勝の母国の先輩、ティム・クラークから「焦らずにやり続けて、毎日1%でも成長しよう」と背中を押され、「思っていたよりもかなり早く良い結果に繋がった」と順調な成長ぶりを示してきた。
ポイントランクは43位。シリーズ第2戦「BMW選手権」」(メリーランド州ケイブスバレーGC)に進むためには、現在のトップ50を確保しなければならない。「このコースは様々なティショットが必要で、ドライバーをただ打てばいいとは限らない。それでも僕はアグレッシブに、ここ2カ月でやってきたプレーをしたい」。1オーバー48位でのスタートからどこまで踏ん張れるか。(テネシー州メンフィス/桂川洋一)