6回途中3安打2失点「やってきたことの積み重ねは出せた」■ヤクルト 3ー2 巨人(7日・東京ドーム) 試合後の薄暗い東京…

6回途中3安打2失点「やってきたことの積み重ねは出せた」

■ヤクルト 3ー2 巨人(7日・東京ドーム)

 試合後の薄暗い東京ドームの通路。多くの報道陣に囲まれた巨人・田中将大投手は天井を見上げ、唇を噛み締めた。約3か月ぶりの1軍復帰戦は、6回途中3安打2失点。日米通算199勝目はお預けとなった。

「自分の中で春先とは違う手応えを感じていた。そこに関しては驚きはないし。やってきたことの積み重ねは出せたかなと思いますけど。ただ、四球が多くなってしまいましたし。四球までのカウントの作り方が自分の投球を苦しくしてしまった」

 投球の軸となる最速149キロの直球が走り、スプリットも威力を発揮。3回まで9者連続アウトと最高の立ち上がりを見せた。だが、四球が投球を苦しくした。4回は2死から連続四球でピンチを招いて同点に。1点リードの6回2死二塁、長岡へ四球を与えたところで降板となった。「カウントの整え方、作り方をもう少し出来たんじゃないかなと。ファーストストライクを取るとか。今日は出来てなかったと思います」。反省の言葉を繰り返した。

 試合を作ったが、首脳陣の評価は“厳しめ”だった。阿部慎之助監督は「結果的には良かったけど、ちょっと重くなっちゃったね。四球も多かったし」と4四球へ視線を向けた。前日6日にプロ初先発で好投した森田駿哉の次回先発は即決したものの、36歳右腕に関しては別。次回登板については「まだ何も決まってないんで。これからです」と明言を避けた。

 降板直前、長岡への投球中にはスタンド中から拍手が送られた。田中将は「声援はもちろん耳に入ってました。ああいう形で降板したので、帽子をとって大々的には応えることは出来ませんでしたけど」と語ったが、やはり巨人投手陣では唯一無二の存在感を放つ。まだまだ続く長いペナントレース。「春先からは違う手応え」を得た田中将の力が必要になる時はきっと来る。(小谷真弥 / Masaya Kotani)