現役引退から9年が経ったが、ペルーサは未だに根強い人気を誇っている。今回はそんな彼が5年3カ月ぶりの復活Vを果たした…

 現役引退から9年が経ったが、ペルーサは未だに根強い人気を誇っている。今回はそんな彼が5年3カ月ぶりの復活Vを果たした15年の札幌日経オープンを振り返る。

 ペルーサは父ゼンノロブロイ、母アルゼンチンスター、母の父Candy Stripesの血統。07年のセレクトセール当歳で1億円(税抜)で取引された。馬名はアルゼンチンのサッカー選手、ディエゴ・マラドーナの愛称に由来する。

 2歳秋に美浦・藤沢和雄厩舎からデビュー。横山典弘騎手を主戦に据えて、無傷の4連勝で青葉賞を制した。続く日本ダービーでは6着に敗れたが、秋を迎えて古馬相手に奮闘。安藤勝己騎手とコンビを組み、天皇賞(秋)が2着、ジャパンCが5着、有馬記念が4着。GI馬の仲間入りは時間の問題と思われた。しかし、出遅れが常態化するなど、徐々に気性面の問題が顕著に。次第にオープン特別でも苦戦するようになった。そんな中で迎えた一戦が8歳夏の札幌日経オープンだった。

 この日のペルーサはC.ルメール騎手との初タッグ。復活を託された名手は、思い切った先行策を取った。そして正面スタンド前では先頭へ。ペルーサにとっては生涯初となる「逃げ」の戦法だ。そしてこの思い切った判断が結果的に吉と出る。道中でしっかりと息が入った分、直線に向いてもペルーサの脚色は衰えない。外からタマモベストプレイに迫られたものの、最後は半馬身抑えてフィニッシュ。オープン特別には珍しく、ルメール騎手は左手でガッツポーズを見せた。

 これが10年の青葉賞以来、実に5年3カ月8日ぶりとなる5勝目。従来のアドマイヤセナの5年2カ月16日を更新し、JRA史上最長勝利間隔記録となった。また、勝ちタイムの2分38秒7はコースレコード。まさに記録尽くめの勝利で、北海道のファンを喜ばせたのだった。