大谷を超えるハイペースで本塁打を打ち続けるシュワーバー。その打棒はMVPを巡る議論も白熱させる(C)Getty Imag…

大谷を超えるハイペースで本塁打を打ち続けるシュワーバー。その打棒はMVPを巡る議論も白熱させる(C)Getty Images
32歳の大砲が快音を響かせている。フィリーズのカイル・シュワーバーだ。
現地時間8月2日に行われたオリオールズ戦で、今季3度目の1試合2本塁打を放ったシュワーバーは、自身のキャリアで3度目となる年間40号に到達。ナショナル・リーグ本塁打王ランキングでもドジャースの大谷翔平を抜き、単独トップに浮上した。
その勢いは夏場に入って加速している。目下、シーズン57本ペースで打ちまくっているシュワーバーは、直近7試合だけで見ても、打率.333、4本塁打、長打率.852と驚異的なスタッツを記録。相手バッテリーにとって脅威と言える存在感を放っている。
衰え知らず大砲の打ちっぷりは、「大谷一強」と見られてきたMVP争いにも、変化を生んでいる。スペイン紙『Marca』の北米版は、「シュワーバーは、ショウヘイ・オオタニにも怯むことはない」とシュワーバーが大谷を本塁打数で凌駕している点を強調。また、フィリーズの地元放送局『NBC 10 Philadelphia』は「今年はショウヘイ・オオタニがMVPレースを独走していた。しかし、忽然とシュワーバーが議論に加わった」と贔屓球団の主砲が論争を巻き起こすトリガーになり得るとした。
「約1か月前には、シュワーバーの名前は、MVPを予想するオッズにさえ掲載していないブックメーカーもあった。それほどオオタニとの差は明確にあった。しかし、その勢いはどうにも止まらず、MVP争いの流れを大きく変えることになった。MVPレースにおけるオオタニの圧倒的なリードは大きく崩れている」
今季は投打二刀流を再始動させ、ことMVP予想において大谷は絶対的な地位を確立していた。そこは『NBC 10 Philadelphia』も「オオタニが図抜けた投球能力で価値を高めているのは確かだ」と認めている。しかし、「打撃成績だけなら、シュワーバーとオオタニはほぼ互角だ」とした同局は、こうも続けている。
「二人の巨人は見事な戦いを見せてくれている。残す約8週間のレギュラーシーズンは、まさに興奮必至の展開となるだろう。優勝者が一人しか選べない点は残念でしかない」
大谷が受賞すれば3年連続の快挙だが、果たしてどうなるか。シュワーバーが“牙城”を崩すにしても、白熱する個人タイトルの行方は大きな関心事となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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